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小笠原満男が子供達に伝える自立心。
「荷物ぐちゃぐちゃでもいいんだよ」
posted2019/08/15 11:40

これまでキャリアで得たことを子どもたちに還元する小笠原満男。サッカーの指導を通じて自立の重要性を伝えていく。
text by

池田博一Hirokazu Ikeda
photograph by
J.LEAGUE
「勉強しに行って来ます」
8月5日、小笠原満男が自身初めてのアカデミー海外遠征に出発した。
向かうは中国の上海。「YOUTH INTERNATIONAL CHALLENGE CUP」に出場する鹿島アントラーズジュニアユースへの同行となる。参加チームは中国に限らず、アトレティコ・パラナエンセ(ブラジル)、アンデルレヒト(ベルギー)、ウォルバーハンプトン(イングランド)も名を連ねる。
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遠征中、小笠原は子どもたちのプレーだけでなく、ピッチに立つまでの過程にも目を配っている。遠征に持参する荷物、ビュッフェ形式の食事、ホテルでの時間の過ごし方、そして試合への準備。
たとえ、荷物の中身が整理整頓されていなくても、そこに明確な理由があれば、小笠原は目を細める。
「(自分も)遠征の準備は、必要最低限。あとは、あるものでなんとかする。俺にとっての準備はそんなところだから」
「自分のことは自分で」
21年にわたりプロ生活を続けた小笠原は言う。
「トップの選手がまさにそうなんだけど、自分のことを自分でできない選手はたいていつぶれる。それはこれまで見てきた経験から、僕だから言えること。今のアカデミーにいる子どもたちの親御さんたちにも知ってほしい」
子どもの自立心を育む。育児において、目指すべきところだろう。それは、サッカーの指導においても同じと、小笠原は強調する。それも、プロを目指す選手にとっては、特に。