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不動の「3番・DH」になった大谷翔平。
本塁打への秘めたる意識が変わった。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byNanae Suzuki
posted2019/08/11 11:50
後半戦は23試合で1本塁打(8月6日時点)の大谷。ペースは落ちてきているが、昨シーズンの22本を超えられるか。
「自分の中でもいい練習になっています」
前半戦は218打席で16個だったが、後半戦は85打席(8月6日現在、以下同)で12個にもなる。相手投手に生まれた配球の変化を大谷はこんな言葉で説明した。
「去年は8番とかも打ってましたし、カウントに関係なく(ストライク)ゾーンの中で勝負するっていう感じかなと思いますけど、最近は結構枠の外らへんが多いので、そこを見送りながら3-2も多いですし、そこで打ち取られてるのも多い。もう一つ噛み合えばいい流れになるんじゃないかなと思っているので、自分の中でもいい練習になっていますし、試合の中でですけど、いい経験になってるかなと思ってます」
フルカウントでの対応が課題。
四球増の傾向がある中、今、大谷に生まれている新たなる課題。それが3-2カウントでの攻防だ。
後半戦、3-2カウントになったのはここまで16機会ある。だが、四球を選べたのはわずかに2回、安打も1本。結果、カウント別では14打数1安打、打率.071と苦しい状況が続いている。
大谷自身は「場数を踏むところが一番大事かなと思います」と話す一方で、自身の考えもはっきりと口にした。これは客観的に自身の立ち位置を捉えることが出来ている証しであり、自信の表れだと感じる。
「3-2が難しいのでなく、どのバッターに3-2になっているのかが難しいのかなと思うので、まず自分がその位置に、相手ピッチャーにとって位置しているのかをしっかりその時に把握しないといけない。シチュエーションによっても違うので、そういう動きが一番多いカウントなのかなと思っています」
大谷は更に踏み込んで話してくれた。
「後ろ(を打つバッター)が誰なのかによって、僕への配球がだいぶ変わってくるので、そこをまず考える必要があるのかなと思います」