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不動の「3番・DH」になった大谷翔平。
本塁打への秘めたる意識が変わった。

posted2019/08/11 11:50

 
不動の「3番・DH」になった大谷翔平。本塁打への秘めたる意識が変わった。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

後半戦は23試合で1本塁打(8月6日時点)の大谷。ペースは落ちてきているが、昨シーズンの22本を超えられるか。

text by

笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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Nanae Suzuki

 大谷翔平が今年よく口にする言葉がある。

「ホームランになってくれれば一番いいですけれど……」

 昨季までならこうは言わなかったはずだ。

「本塁打を意識しているわけではないので、二塁打の延長が本塁打になってくれればいいのかなと思います」

 今年も本塁打を狙っているとは決して言っていない。だが、心の奥底にある本塁打への意識は確実に高まっている。だから冒頭のような言葉をよく口にするのと感じる。

 それは何故か。

 打者として5月7日に復帰以降、大谷は不動の「3番・DH」として出場を続けている。この事実は、25歳にして、このチームの打線を支えるのはお前だというメッセージを首脳陣から伝えられているのと同じだ。

四球増加に現れた大谷への警戒度。

 自覚と責任、加えて、自信。

 この3つが今、確実に大谷の心に芽生えている。だからであろう。発する他の言葉にも変化が見られるようになった。

 言うまでもなく、エンゼルス打線にはメジャー最強外野手の異名を持つマイク・トラウトもいれば、3000安打、650本塁打、2000打点を超える殿堂入り確実のアルバート・プホルスもいる。ふたりは実績に加え、周囲から受ける敬意もメジャートップクラス。そのふたりに対し、大谷はものおじをしないようになったし、打撃に関しては自分の考えをはっきりと口にするようになった。

 後半戦に入り、各チームの大谷への警戒度が増したことを象徴する事実に四球が増えたことが挙げられる。

【次ページ】 「自分の中でもいい練習になっています」

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