フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
若手フィギュア選手の合宿で講師を。
あのランビエルに独占インタビュー!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2019/07/23 17:30
ランビエルが講師として招かれた全国有望新人発掘合宿。日本のスケーターへの思いを語ってくれた。
日本の生徒たちの長所とは?
日本スケート連盟の小林芳子強化部長は、「合宿はわずか数日でも、コーチの方々も一緒に学ぶことにより、ここで得たものを生かして、それぞれのリンクに戻って練習を続けていくことができるんです」と説明する。
「日本の子供たちを教えていて、他の国の生徒と一番違うのはその練習の集中力ですね。たとえば何かをやって見せると、日本の生徒は何も言わなくても何度も何度もそれを繰り返して練習している。
スイスのぼくの生徒たちは、1回やってみただけでぼくのところに戻ってくる。もっと何度も練習しなさい、と言わないと繰り返さない。でも日本の子たちは、はいストップ、というまで何度も繰り返し練習をするのです」
海外の関係者からよく、なぜ日本のスケーターはここまで強くなったのかと聞かれるが、こうした勤勉な国民性が根底にあることも1つの理由に違いない。
演技会の評価で次のステップへ。
「生徒の中には、昨年やその前からこの合宿に来ている子もいて、その成長を見るのも楽しみの1つです」とランビエル。
生徒たちのひとりひとりの成長のスピードは違う。
「特に男の子たちは、見ていて面白いですね。女の子たちは精神的にも成長が早く、ノービスでもある程度もうスケートに向かう気持ちなどもできあがって落ち着いている。それに対して、男の子たちは予測ができない。
1年の間に全くスケートに対する興味を失ってしまったり、あるいは逆に別人のように成長していたりと人それぞれ。もっと年齢が上になってもいつ選手として本格的に覚醒するのか、そのタイミングは本当に個人的なものなので、結果を出させることに焦ってはいけないと思っています」
この合宿の後半には子供たちの氷上演技会も行われ、演技の評価に加えて体力測定・ダンス表現・生活態度の総合的な評価も受ける。ここで評価が高かった生徒は、全日本ノービス大会の予選であるブロック大会を免除されるシード権を手にすることができ、また全日本ジュニア合宿に参加できるようになる。