フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
若手フィギュア選手の合宿で講師を。
あのランビエルに独占インタビュー!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2019/07/23 17:30
ランビエルが講師として招かれた全国有望新人発掘合宿。日本のスケーターへの思いを語ってくれた。
島田高志郎のシニアGPデビューに期待。
ランビエルが指導している島田高志郎も、もともと数年前にこの有望新人発掘合宿で出会った生徒だった。現在17歳の島田は2017年にランビエルに師事するためにスイスに移住して、この秋で3シーズン目を迎える。
昨シーズンは全日本ジュニア3位、さらにジュニアGPファイナルに進出し3位入賞と好成績を収めた。今年のスケートアメリカで、シニアGPデビューを果たす。
「彼にはシニアで戦う準備ができていると思います。プログラムも2本とも、彼の良さを引き出す良い作品に仕上がりました。もちろんいきなりデビュー戦で上位に行くことは期待していない。でもシニアのトップ選手たちに混ざって戦いに加わる能力は、すでに十分あると信じています」
そうランビエルは頷く。
コーチとして今後の課題とは。
現役時代は、技術と表現力を兼ね備えた素晴らしい選手だったランビエルだが、彼自身ほどの天性に恵まれていない子供たちのことはどう導いていくのか。彼の指導者としての今後の課題は何なのか。
「選手のプッシュの仕方を覚えること、でしょうね」
少し考えて、彼はそう答えた。
「ぼくは現役時代、自分のコーチ(ピーター・グルター)にプッシュされたという記憶がないんです。だからぼく自身、選手当人がプレッシャーを与えられているとは感じない形で、選手をプッシュしていく方法を学ばなくてはと思っています」
フランス語訛りの優しい英語で物腰も柔らかい一方、内に秘めた熱い情熱を感じさせるランビエル。彼に指導を受ける機会に恵まれた、日本の若手たちがこれからどのように成長していくのか、楽しみだ。