フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
若手フィギュア選手の合宿で講師を。
あのランビエルに独占インタビュー!
posted2019/07/23 17:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura
長野県野辺山で、今年の7月17日から20日までフィギュアスケートの第29回全国有望新人発掘合宿が行われた。今年のノービスA(11歳から12歳)は、男子17人、女子46人が参加した。
この合宿で、スケーティングの講師として招かれたトリノオリンピック男子銀メダリスト、ステファン・ランビエルが独占インタビューに応じた。
「初めてここに来たのは、確か2012年でした。スケジュールが合わなかった1年を除いて、それ以来毎年戻ってきています。最初に依頼をもらったときは、とても光栄に思いました。当時ぼくはまだコーチとしての経験が浅かったので、自分が何を与えられるのか、そして教えることを通してどんなものを自分が学んでいけるのか、とても興味がありました」
そう語るランビエルは、4トウループが得意だったことに加え、美しいスケーティングと秀でた音楽表現で高い評価を受けた選手で、現在でも日本にも多くのファンがいる。
トリノオリンピック銀メダル、2005年と2006年に世界タイトルを手にし、2010年バンクーバーオリンピックで4位となったのを最後にアマチュア競技を引退した。現在はスイスのシャンペリーでスケート教室を開催し、子供も合わせて20人余りの生徒を抱えているという。
「この合宿で大勢のグループを教えることにより、全体に目を行き届かせる訓練ができました。子供たちは本当に1人1人違っていて、天性で体の使い方がうまい子もいれば、逆にまったく不器用な子供もいる。
ダンスフロアで輝いていて思わず目が吸い寄せられる子が、氷の上ではジャンプが苦手だという場合もあります。その1人1人の個性を把握して、弱点を克服するための方向性をつけてあげる。それがぼくの役割です」
時には必要なサポートもする。
ランビエルが音楽にのってステップやターンなどをまずやってみせると、子供たちがそれを真似しながら後ろについていく。
氷の上の、全国から選び抜かれて集まってきた子供たちだけではなく、それぞれのコーチたちも観客席から、あるいはスケート靴を履いてリンクの端に立って見守りながら時には必要なサポートもする。