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ビジャのゴールはなぜ見事なのか。
「反応と土台」に水沼貴史が感服。 

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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photograph byGetty Images

posted2019/07/14 11:45

ビジャのゴールはなぜ見事なのか。「反応と土台」に水沼貴史が感服。<Number Web> photograph by Getty Images

37歳、Jリーグ1年目ながら、気づけばリーグ戦得点ランキングトップタイ。やはりダビド・ビジャは本物だ。

コパの上田綺世に感じたこと。

 ストライカーの経験値というところで、思い出したシーンがあります。先日のコパ・アメリカ初戦チリ戦で、個人的に期待していた上田綺世(法政大)に訪れたいくつかの決定機の場面です。

 彼の動き出しや、経験豊富なチリ相手にゴール前でフリーになれる動きは素晴らしかった。それは上田だけでなく、日本の育成が目指してきた能力が彼らに備わっていることを証明していたと思います。

 でもゴールを決める力はまだ持ち合わせていなかった。1点でも取れたら世界にも驚きを与えられただろうし、本人の環境も変わったかもしれない。そういうシビアな局面では、まだ大きな差はあるなと。事実、あまり大きく報じられていませんが、コパ・アメリカ後に出場しているユニバーシアードで、彼は点を取っています。

 これからプロの舞台に進めば変わってくるだろうし、今回プレッシャーの強度が高い舞台を経験したことで本人もそこは理解しているはず。これから追い求めて欲しいですね。

 極端な話、FWは5回のうち1回でもシュートを決めればいい。もっと言えばストライカーは「うまい」じゃなく「すごい」であるべきだと僕は思っている。サッカーはそういった凄味から広がっていくと思うんですよね。上田の場合、途中から出たウルグアイ戦やエクアドル戦ではその点が少し物足りなかった。

田川、染野、斉藤も期待したい。

 上田だけではなく、期待が持てるFWはたくさんいますよね。U-20W杯での田川亨介はこんなに速いのかと改めて気づかされましたし、鹿島に入団内定した染野唯月という高校生もヘディングという自分の新しい強みに気づいて、メンタル的にもグッと伸びてきました。斉藤光毅もアジリティーが高くて個人的に好きな選手。

 武器を磨くとともに、彼らにはまずは「土台」をしっかりと築いてほしい。そしてその先でビジャのような「反応」を研ぎ澄ましたストライカーになってほしいです。期待しましょう。

(構成/谷川良介)

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