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ビジャのゴールはなぜ見事なのか。
「反応と土台」に水沼貴史が感服。 

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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photograph byGetty Images

posted2019/07/14 11:45

ビジャのゴールはなぜ見事なのか。「反応と土台」に水沼貴史が感服。<Number Web> photograph by Getty Images

37歳、Jリーグ1年目ながら、気づけばリーグ戦得点ランキングトップタイ。やはりダビド・ビジャは本物だ。

“実際にプレーを見る”のは大事。

 ビジャのようなストライカーを身近に見ることができるのは、現代のサッカー少年たちはすごく恵まれていると思います。

 僕らの時代の話、していいですか?(笑)

 当時は釜本(邦茂)さんの45度から放つ強烈なシュートや、止まったり動いたりと変幻自在なクライフを見て驚きましたが、僕の話を聞いただけでは子供たちがそれをイメージすることは難しいでしょう? それだけ“実際にプレーを見ること”は大事。

 小さいころから頭の中に「絵」を残すことはとても重要な作業なんです。

 見る環境が整っている今こそ、すごいプレーの裏にはビジャのように「土台」が必要だということをしっかりと伝えていかないといけない。理想の形を「絵」として提示したうえで、それをやるためにはどんな地味な能力が必要か。指導者にはそういったことを伝えてほしいですね。

バルサの下部組織を見て感じたこと。

 あのダブルタッチでのゴールでもう1つ言えるのは、彼の経験値があるからこそなせる業ということでしょう。特にストライカーは相手からの圧がかかる“試合”での経験はとてつもなく大きい。

 バルセロナの下部組織の練習に帯同させてもらったことがありますが、コーチたちは小さい子たちに「落ち着いてやれ」ぐらいしか言わない。トレーニングの強度は上げることはできても、試合での感覚は試合でしか養えない。ビジャもシビアな局面を潜ってきたからこそ、研ぎ澄まされていったわけです。

 日本でもレッズのクラブ得点記録を塗り替えた興梠慎三、史上3人目のJリーグ大卒100ゴール達成が間近になっている小林悠ら、Jリーグでコンスタントに結果を残しています。

 彼らもまた、シュートをちょっと浮かせたり、瞬時にコースや弾道を変えることができる。それはチーム内の激しい競争や移籍などを通してかかるプレッシャーの中、しっかりと経験を積み重ねてきたからこそですよね。

【次ページ】 コパの上田綺世に感じたこと。

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