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ドラフト9位が切り札に成り上がり!
DeNA佐野恵太を変えた米国流分析。
posted2019/06/23 09:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
「もし、わたしの時代に“これ”があったら、まだ現役をつづけていたかもしれないね」
そうラミレス監督が冗談を交え効果を語るのは、DeNAが昨年の秋季キャンプから導入した米国ブラストモーション社製のグリップエンドに装着するセンサーについてだ。
メジャーリーグの球団で活用されていることからチームの戦略部が採用を決定し、現在、若手選手を中心に利用されている。バットのスイングのスピードや軌道、体のバランスなど16項目が数値化され、映像とデータの両面で確認することができるのだ。
バッターに関し多角的なデータ収集ができるブラストモーションであるが、ラミレス監督いわく、選手の状態を見極める上で重要な項目は3つあるという。
「まず1つ目は、どれだけ『テイクバック』できているか。それに付随し2つ目は『始動からボールを捉えるまでのスイングスピード』。速いスイングでボールを捉えられると、よりスピンを与えることができ、今季の神里(和毅)は、ここが昨年とはだいぶ違う」
ラミレスから高い評価を受ける佐野。
そして3つ目が『On Plane Efficiency』という項目で、ラミレス監督はこのデータをもっとも注視している。
「これはインサイドアウトでレベルスイングできているかどうか、効率的で安定したバットの振りを確認することができる」
これらのデータで理想的な数値をあげている選手のひとりとしてラミレス監督が名前を挙げたのが3年目の佐野恵太だ。
ルーキーイヤーから代打としてベンチに控える長打力が魅力の選手であり、ラミレス監督は「タイミングの取り方はチームで一番」と高い評価を与えている。