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久保・安部・大迫抜きをプラスに。
影山監督がU-20代表を変えた言葉。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2019/06/15 08:30
会見では明るい表情も見せた影山雅永監督とキャプテンの齊藤未月。この敗戦は終わりではないのだ。
“飛車角抜き”と言われたメンバーに発破。
今大会を取材するなかで印象的だったのは影山監督が、世界と勝負することを選手たちに強く意識づけていたことだ。日本は2大会連続でU-20W杯に出場しており、アジアを突破できなかった'09年から'15年までとは状況が違うからかもしれないし、影山自身がドイツ留学や、マカオ代表やシンガポールU16代表を指揮した経験があるからなのかもしれない。
ともかく選手たちには自分自身が世界に単に挑戦するのではなく、戦うことを意識させていた。
日本の初戦となったエクアドル戦前に行われた公式会見での発言はとても大胆だった。
「自分たちが成長してると思えることが大事だと思います。まずはグループステージ突破が目標で、なるべく上に行きたい。献身性では我々が突出しているからそこを前面にだしていこうと言いました。個人としてはこの大会の活躍で『コパ(アメリカ)に来い!』と言われるくらいの選手が出て来てくれると益々うれしいなと思います」
ただでさえ負傷のため招集できない選手が多かった上に、久保建英だけでなく、安部裕葵、大迫敬介をA代表にとられ招集することができなかった。いわば飛車角抜きという見方もある中で、指揮官は自チームのピンチを選手たちへの刺激に変えたのだった。
個人として世界と戦う意識。
世界と戦え、向上心を持てというスタンスは最後まで変わらなかった。決勝トーナメント1回戦で韓国に敗れ、大会を去ることになった直後もこんな風に語っている。
「様々なことがありながら、チームとしてさらに強くなっていきながら、そして個として戦った。組織力は日本のパワーだと言っていましたけど、個人でもっともっと仕掛けて、ボールを奪うということはすごく大事にしてきたつもりでいます。
彼らは世界で戦う、自分が戦う、というイメージをして代表活動や日常をやってきてくれたと思います。ここで負けるつもりじゃなかったので、もっともっとたくさんのゲームを経験させて、もっともっと個人としてもチームとしても経験値を上げさせたいと思っていたけど、非常に残念ですね」