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勝利剥奪のペナルティにベッテル激怒。
F1レースの裁定はどうあるべきか。 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byGetty Images

posted2019/06/16 17:30

勝利剥奪のペナルティにベッテル激怒。F1レースの裁定はどうあるべきか。<Number Web> photograph by Getty Images

ベッテルはレース後、怒りのあまり自分とハミルトンの順位ボードを置き替えてしまった。

データを公表してもいいのでは。

 またスチュワードがインシデントを裁定する場合には、それに至るまでの客観的な根拠があるはずだ。それならば、そのデータを公表してもいいのではないか。

 もし、その客観的な根拠を自信を持って示すことができないのであれば、そもそもレース中に起きたインシデントはスチュワードによって裁かれるべきではない。

 なぜなら、レースとはひとつでも上のポジションでフィニッシュするために、ある者は前車を抜こうとし、ある者はそれを防御しようとブロックする競技だからだ。安全性を無視してはいけないが、レースの精神を阻害してまで、安全性を優先されるようなことがあれば、レースは魅力を失い、スポーツとして成り立たなくなる。

 あるレース関係者は言う。

「私のベストレースは、1979年にディジョンで行われたフランスGPだ。ジル・ヴィルヌーヴとルネ・アルヌーによって繰り広げられた2位争いの最後の数周は、史上最高のバトルだった。彼らは何度もホイールとホイールをぶつけ、何度も順位を入れ替えながら激しい肉弾戦を繰り広げたが、クラッシュすることなく、チェッカーフラッグまでサイド・バイ・サイドで渡り合った。

 さらに素晴らしかったのは、2人にペナルティもなかったことだ。なぜなら、当時はスチュワードなんていなかった。素晴らしいバトルに、スチュワードは必要ないのだから」
 

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