“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-20W杯日韓戦で悔やまれるミス。
菅原由勢は、必ず壁を越えられる!
posted2019/06/12 11:15
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
JFA/AFLO
筆者は良い選手、学びながら成長する選手の条件として、自分が起こした現象に対し、しっかりと細かく理論立てて振り返られることを挙げる。
それは成功体験と失敗体験の両方に当てはまる。
例えば「ゴールを決めた」という現象に対して、ただゴールという結果に満足するのではなく、それが「すべて狙い通りのゴール」なのか、「偶然に生じたゴール」なのかでは大きく異なる。もっと細分化すると「ここまでは狙い通りで、ここからはリアクション」だったり、「この狙いだったが、状況が変わって別の選択をした」、「狙い通りの形に持ち込めなかったが、そこから強引にシュートまで持っていくことができた」など、どこまでが偶発で、どこまでが必然か。
必然から偶発に切り替わった瞬間や、偶発の際の状況詳細まで頭に入れて、考えを張り巡らすことで、「次、同じようなシチュエーションになったときにどうすべきか」と明確な問題意識を持ってトレーニングや試合に臨むことができる。
成長する術を持つ菅原由勢。
ミスに関しても、ただ単に「ミスをしてしまって反省している」だけでは、同じことを繰り返すだろう。
なぜミスをしてしまったのか。
「ここまでは意図していたが、この部分をミスしたことで、失点につながってしまった」、「ここに来ると思ってこう準備をしていたが、その裏をかかれて、出足が遅れてしまった」など、細部まで目を配ることができるか。
ミスの原因に近づいて、自分の足りない部分を具体的に把握し、レベルアップにつなげられるか。これができるか否かで、選手としての質は大きく異なってくる。
前置きが長くなってしまったが、U-20日本代表を取材して、DF菅原由勢はこれを高次元で行える選手であると改めて感じた。