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ダービーに向け“残り2強”も順調。
サートゥルナーリア1択、ではない。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/05/24 17:30
サートゥルナーリア(右)が制した今年の皐月賞。しかしダノンキングリー(左)とヴェロックスも肉薄していたことを忘れたくない。
ウオッカで一躍有名になった角居師。
そして、皐月賞を制したサートゥルナーリアは角居勝彦厩舎の馬だ。角居調教師といえば2007年、牝馬としては実に64年ぶりに日本ダービーを優勝したウオッカで有名だ。
ウオッカは2歳時に阪神ジュベナイルフィリーズを優勝して、JRA賞最優秀2歳牝馬に選出された。3歳となった後もエルフィンS、チューリップ賞を連勝。圧倒的1番人気で桜花賞に出走したが、なんとここでダイワスカーレットの2着に敗れてしまった。
しかし、そこからが角居調教師の角居調教師らしいところ。牝馬に敵なしとなればダービーに挑むのも分かるが、桜花賞で負けたにもかかわらず次なる目標を牡馬相手のダービーとし、実際にこれを制してしまった。
これが先述した通り、牝馬による64年ぶりのダービー制覇だったのだが、64年前とウオッカの時代では競馬そのものがまるで違うのは明らか。つまり角居調教師の偉業は64年ぶりに牝馬をダービー馬にさせたのではなく、近代競馬史上初めて牝馬でダービーを優勝したと言っても過言ではないのだ。
サートゥルナーリアは1番人気が堅い。
今年のサートゥルナーリアはここまで4戦4勝。勝ち鞍の中にはGIのホープフルSと皐月賞が含まれる。父ロードカナロアは自身が優秀だっただけでなく、種牡馬としては昨年の年度代表馬アーモンドアイなど、距離に融通性のある駿馬を出している。また、母のシーザリオも開業当初の角居厩舎を一躍有名にした名牝で、繁殖入り後もエピファネイアやリオンディーズなどGIホースの母となっている。
サートゥルナーリア自身、休み明けで皐月賞を勝ったのだから、ひと叩きされた今回はさらに状態を上げて来ると見込まれ、おそらく1番人気は間違いないだろう。