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ダービーに向け“残り2強”も順調。
サートゥルナーリア1択、ではない。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/05/24 17:30
サートゥルナーリア(右)が制した今年の皐月賞。しかしダノンキングリー(左)とヴェロックスも肉薄していたことを忘れたくない。
ヴェロックスを管理する40歳・中内田師。
最後に、2着だったヴェロックスからも目を放せない。同馬を管理するのは中内田充正調教師。2014年に厩舎を開業したばかりで、現在40歳と若い調教師だが、開業4年目の一昨年、ダノンプレミアムで朝日杯フューチュリティSを勝利し、初GI制覇を果たすと、翌18年にはダノンファンタジーで阪神ジュベナイルフィリーズを優勝。2度目のGI制覇を飾った。
前述の2人の伯楽に比べると、実績はまだまだだが、今年で開業6年目なのだから仕方のないところ。それでも中内田調教師自身のキャリアは目を見張るものがあり、ヨーロッパの大学で馬学を学んだ他、アメリカの厩舎で働いた経験もある。
それもアメリカの伯楽ロバート・フランケルに師事し、2003年にはエンパイアメーカーの調教を任された。同馬はベルモントS(GI)を勝利するなど、GIを3勝もしてみせた。もっとも、ケンタッキーダービーは1番人気に支持されながらも2着に惜敗している。
アメリカでの悔しい思いと今回を結びつけるのはいかにも強引なので、雪辱とは言えないが、ヴェロックスの能力を考慮すると、純粋に日本ダービーで勝ち負け出来る大きなチャンスとみて良いだろう。
先述した通り、皐月賞馬サートゥルナーリアの1番人気は間違いないところだろう。しかし、クラシック第一弾でのヴェロックスとダノンキングリーの着差、内容は、予想されるオッズほど差があるとは思えない。3人の名調教師による頂上決戦が、ダービーらしい見応えのある好勝負となることを願おう。