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外国籍と帰化選手が上位独占する、
Bリーグ得点ランクの特異性とは。
posted2019/05/23 10:30
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph by
AFLO
バスケットボールは、身長が高いと有利と言われ続けているスポーツである。日本が長年国際試合で勝てない理由の1つとして、200cm以上の選手が非常に少ないというサイズ不足が挙げられる。
2016年にBリーグが創設されて以降、この3シーズンでゲームの質は明らかにレベルアップしてきた。しかし、サイズのある外国籍選手と帰化選手による得点が、チームの命運を左右する状況に大きな変化はない。
2018-19シーズンのB1を振り返ってみると、得点ランキングのトップ10はいずれも外国籍か帰化選手だった。60試合中51試合以上出場というBリーグのランキング規定に沿って平均得点のトップ20をリストアップしてみても、11位に17.9点の金丸晃輔(シーホース三河)、17位に川村卓也(横浜ビー・コルセアーズ)しかいない。
B1所属チームの外国籍と帰化選手が今シーズンの総得点に占める割合を調べてみると、最も少ないのは2連覇を達成したアルバルク東京の37.4%。一方で川崎ブレイブサンダースの58.5%を最高に6チームが50%を超えており、45%以上だと12チームまで増える。
NBAはガード、スモールフォワードが。
日本のトップリーグに所属するチームの長年の傾向。それはサイズとフィジカルの強さを兼備した外国籍のビッグマンが得点源となるスタイルで、今も続いているのは明らか。日本代表のフリオ・ラマスヘッドコーチが、「(日本人ビッグマンの)タレントは不足している」と語ることに驚きはない。
世界最高のリーグであるNBAも長年、インサイドを支配できるビッグマンの存在が優勝に欠かせない要素と言われてきた。
しかし、2010年代にNBAの頂点に立ったチームの大半は、得点源となる大黒柱がガードかスモールフォワードの選手となっている。
196cmのガード、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)が今シーズンのNo.1となった平均得点の上位10人を見ても、210cmを超えるセンターでランクインしたのは4位のジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)しかいない。