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外国籍と帰化選手が上位独占する、
Bリーグ得点ランクの特異性とは。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byAFLO
posted2019/05/23 10:30
得点ランキング11位に入った金丸晃輔。日本人ビッグマンがBリーグで活躍する日は来るか。
10%以上を記録したチーム数は?
B1で最もポストアップの割合が少ないのは栃木ブレックスの7.2%だが、NBAでこの数字よりも高かったのは30チーム中8チームのみ。ヨーロッパのリーグでポストアップの割合が10%以上を記録しているチーム数をチェックしてみると、次のような結果が出てきた。
スペイン・ACB:18チーム中4チーム
ドイツ・BBL:18チーム中4チーム
フランス・プロA:18チーム中3チーム
イタリア・セリエA:16チーム中3チーム
トルコ・BSL:15チーム中1チーム
※B1リーグ:18チーム中13チーム
中国のCBAは、全20チームが10%未満である。いかにB1に所属するチームの大半が、外国籍や帰化選手のポストアップを重視していることがわかるだろう。
ポストアップの割合をより詳細に調べてみると、B1が世界各地のリーグよりも明らかに多いこともはっきりした。
そのデータとは世界各地のリーグを対象に、オフェンスの回数が最低200回以上という条件の下、1試合で行われるポストアップの割合である。
結果は18.5%の富山グラウジーズが1位、17.8%のシーホース三河が2位、17.2%の新潟アルビレックスBBが3位、14.7%のレバンガ北海道が5位。上位20チーム中7チームがB1というのは衝撃的な数字であると同時に、インサイドアウトを非常に重視しているチームの多さを証明するものだった。
CS進出4チームを見てみると……。
塚本氏は次のように語る。
「日本はNBAを含めた他の世界のリーグに比べて、ポストアップが多いです。ポストプレーを外国籍選手の強みに頼る現状からすれば、得点の上位10人に日本人選手がいなくても不思議ではないと思います」
ただし、2018-19シーズンのB1を振り返ってみると、チャンピオンシップのセミファイナルに進出したアルバルク東京、千葉ジェッツ、栃木ブレックス、琉球ゴールデンキングスは、ポストアップの割合が少ない上位4チームだった。
外国籍選手を軸にしたインサイドアウトに頼りすぎず、日本人選手もしっかり得点に絡める形を持ちながら、現代のバスケットボールを遂行しているチームが、いい結果を出しているのは間違いない。