【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
動員数も上昇、盛り上がるバスケ界。
今こそ、経営の“質”を見直すべき。
posted2019/05/22 07:00
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph by
B.LEAGUE
Bリーグ開幕以来、千葉ジェッツは継続的に成長を続ける中で、2017-18シーズンチャンピオンシップファイナルではアルバルク東京に敗れ、この1年、ヘッドコーチの大野篤史を筆頭にチームとして「再びあの舞台に立ち、必ずリベンジする」と、最後の大勝負で力を発揮できるようアプローチを行ってきました。
しかし、そのためにはチャンピオンシップという舞台に立ち、さらにはホームコートアドバンテージを獲得しなければ、ファイナルまでたどり着くには険しい道のりです。
まず、カンファレンス1位、ないしは2位に入っていなければならない。アルバルク東京や栃木ブレックスなどチャンピオンシップ常連のチームがいる東地区では、常に負けられないというプレッシャーを感じながら戦ってきました。
その緊張感が結果的に選手を強くし、ブースターの大声援の力も借りながら52勝8敗の史上最高勝率につながり、天皇杯3連覇、東地区連覇、そしてチャンピオンシップファイナルまで勝ち上がることができました。
ファイナルでは67-71と敗れ、昨年と同じ悔しさを味わうこととなってしまいましたが、最後の最後まで勝つことを強く信じて戦う姿を観ていて、選手個々、チームとしてのメンタルタフネスという面では大きな成長を感じています。
経営数値はリーグトップ、未来につながる敗戦。
千葉ジェッツは2018-19シーズンで最高勝率を始め、天皇杯、東地区優勝、さらにビジネス的な面でも売上高1位、観客動員数1位、SNSフォロワー数1位とほぼすべての経営数値において、Bリーグトップを走ってきました。
しかし、このように数字を伸ばし続けている時期こそ、一歩間違えると歯車が狂うもの。タイトル獲得や歴史に名を刻むなど、スポーツ界にとって大切なアワードはもちろん手に入れたいものであり、悔しさに変わりありませんが、一方では未来につながる敗戦だと前向きに受け止めていければと考えています。