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外国籍と帰化選手が上位独占する、
Bリーグ得点ランクの特異性とは。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byAFLO
posted2019/05/23 10:30
得点ランキング11位に入った金丸晃輔。日本人ビッグマンがBリーグで活躍する日は来るか。
なぜ日本はビッグマンが得点源?
まだレギュラーシーズン中のところもあるが、ヨーロッパ主要国でチェックしてみると、スペイン、ドイツ、トルコのリーグは、トップ10の選手の7割以上がガードかスモールフォワードの選手である。
中国のCBAは外国籍の大半がガードかスモールフォワードということもあり、トップ10に入った選手はいずれも200cm未満だ。39.8点で得点王となったピエール・ジャクソン(北京フライドラゴンズ)は180cmしかない。
ここで強調したいことはNBAを筆頭とする多くのリーグと違い、日本はBリーグになってもセンターやパワーフォワード、いわゆるビッグマンと呼ばれる選手の得点が多いという事実だ。
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現代のバスケットボールはスクリーンを使いながら、ボールと選手を動かして得点を奪いに行くスタイルが主流となっている。しかし、Bリーグを見ていると、インサイドアウトが今も重視されているという印象を否定できない。
興味深い「ポストアップ」の数値。
なぜ、そう思えてしまうのか?
そのカギは「ポストアップ」(※オフェンスの選手がディフェンスを背負って、ポストエリアにポジショニングする)というプレーが握っていた。
5月8日、Bリーグ強化育成部の塚本鋼平氏を訪問し、Bリーグ提供データのシナジー(様々な要素で分析できるシステム)を見せてもらった。
そしてポストアップについていろいろ調べてみると、Bリーグが他のリーグと大きく違う点が明確にわかっていく。
まず、1試合でポストアップを使った割合を見ていくと、B1は18チーム中13チームが10%を超えていたのに対し、NBAで10%を超えたのはわずか2チームだけ。最も少ないブルックリン・ネッツはなんと0.9%しかなく、1試合あたりオフェンスのポゼッションが115回だったのに対し、ポストアップを使ったのはわずか1回という数字が出たのである。