松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER

ゴールボール・天摩由貴が気づいた
「チームの素晴らしさ」に修造、拍手!

posted2019/05/19 09:00

 
ゴールボール・天摩由貴が気づいた「チームの素晴らしさ」に修造、拍手!<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

修造さん、天摩さんと、日本ゴールボール協会の増田徹理事。

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松岡修造

松岡修造Shuzo Matsuoka

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Yuki Suenaga

 松岡修造が、パラアスリートと真剣に向き合い、その人生を深く掘り下げていく「松岡修造のパラリンピック一直線!」。女子ゴールボール日本代表・天摩由貴さんは、先天性網膜色素変性症を患っている。徐々に視野や視力が低下していく病気で、高校2年生くらいになると、徐々に文字の判別が難しくなり、大学4年生のときには道路の白線なども見えなくなった、という。

 視界がどんどんと狭まっていく、奪われていくときの感覚というのは、想像もつかない苦しみや悲しみがあるはずだ。でも、快活に話す様子からは、障害を抱えた苦労などは微塵も感じさせない。そのお話には随所に、ユーモアのセンスがちりばめられている。

一生懸命さでみんなを引っ張る。

松岡 練習に誘われ、ゴールボールを始めて、リオパラリンピックにも出場しました。そして日本代表チームでキャプテンを務めるまでになった。また失礼なことを言いますよ。陸上よりもゴールボールの方が由貴さんには向いていたんじゃないですか。

天摩 あれ? 修造さん、さっきは背が低いからゴールボールに向いてないって言ったじゃないですか(笑)。自分では正直わからないです。もし次の東京でメダルが取れたら、そのとき初めて私は向いているんだなって思えるような気がする。今はまだ向いていると思える要素がないですね。

松岡 ありますよ。普通はそんなに短期間で上手くならないですから。それは才能なのか、努力なのか。由貴さんの武器って何なんですか。

天摩 うーん、なんだろう……。

松岡 捕ることなのか、投げることなのか。背は決して高くない。自分では言いにくいでしょうから、まずは日本代表チームのコーチでもある増田徹さんに語ってもらいましょう。第三者から見て、彼女の良さはどこですか。

天摩由貴(てんま・ゆき)

1990年7月26日 青森県生まれ。先天性の網膜色素変性症を患っており、視野狭窄が徐々に進み、失明の可能性がある。幼い頃から運動が好きで、高校、大学時代は陸上に打ち込み、ロンドンパラリンピックでは陸上女子短距離に出場。その後ゴールボールに転向し、リオパラリンピックでは日本代表として5位入賞。2017年からは日本代表のキャプテンを務め、アジアパラ競技大会では2014(インチョン)、2018(ジャカルタ)とメダル獲得を果たしている。㈱マイテック勤務、チーム附属所属。

増田 やっぱりこう一生懸命にやるところ。そういう姿でみんなを引っ張ってくれています。

松岡 負けず嫌いが練習態度にも現れるんですね。ご自身ではどう思いますか。

天摩 なんでしょうね。強いて挙げるなら、コート内を自由に動き回って攻撃できること。バレーで言う移動攻撃みたいなのがゴールボールにもあるんですけど、そういうのは得意です。私たちはコート感覚って呼ぶんですけど、自分がどこにいるのか、どこに移動して、どう素早く戻れるか、そうした感覚はわりと持っている方だと思います。

【次ページ】 連係プレーで勝てるのが面白い。

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