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平成の日本人金メダリストが一冊に。
別冊付録の制作で回想したあの選手達。 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byIchisei Hiramatsu

posted2019/04/30 11:30

平成の日本人金メダリストが一冊に。別冊付録の制作で回想したあの選手達。<Number Web> photograph by Ichisei Hiramatsu

Number977号の別冊付録は16ページの大ボリューム。各メダリストの逸話と当時の写真で感動の瞬間が甦ります。

岩崎恭子、北島康介、原田雅彦の名言。

 それ以外にも'12年ロンドンの競泳男子メドレーリレー「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」、最近だと'18年平昌のカーリング女子「そだねー」も言葉と結びついて金メダル級のインパクトを残した代表例です。

 もちろん正真正銘の金メダルが言葉とがっちりかみ合えば、これほど強いものはありません。

「いままで生きてきた中で、いちばん幸せです」('92年バルセロナ五輪 岩崎恭子)
「チョー気持ちいい」('04年アテネ五輪 北島康介)
「なんも言えねぇ」('08年北京五輪 北島康介)
「ふなきぃ~」('98年長野五輪 原田雅彦)

 このあたりは言わなくても誰のものかすぐにわかるはずです。セリフ以外では「栄光の架橋」「イナバウアー」「上野の413球」なんていうのもありました。

 個人的には'08年北京の石井慧(柔道)の「五輪のプレッシャーなんて斉藤先生のプレッシャーに比べたら屁の突っ張りにもなりません」も好きなんですが、ちょっとあざとさが感じられるのか、それとも汎用性の低さの問題か。そこまではじけ切らなかった印象なのが残念です。

メダルの色だけがインパクトではない。

 例外的なのが浅田真央(フィギュアスケート)でしょうか。特に'14年ソチは金メダルこそ叶いませんでしたが、大会に至る過程も含めて浅田の大会というイメージが強いです(大会後には「ハーフハーフ」という流行語も残しましたね)。

 名鑑では各大会の雰囲気をより感じてもらうために、金メダリスト以外にも開会式の様子やマスコット、海外のスーパースターも小さく網羅しています。

 サッカーのW杯で開会式が話題になることはまずないけど、五輪において開会式が占める割合ってかなり大きいんですよね。式中のパフォーマンスの演出や選手団の行進にはそれぞれのお国柄がよく表れる。北京やロンドン、ソチあたりは特にそうかもしれません。

【次ページ】 平成15大会、68の金メダル。

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