【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
千葉ジェッツとミクシィが資本提携。
新アリーナ建設で“100年続く”礎を。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byB.LEAGUE
posted2019/04/15 19:15
4月14日のアルバルク東京戦に勝利し、リーグ最多勝を50勝に更新。2年連続で東地区優勝も決めた。
クラブが建てるというチャレンジ。
ここ1~2年、いろいろな可能性を探り、様々な戦略を取った結果、なんとか民間(企業)のちからを借りて(アリーナ建設を)実現できないものかという方向に完全に舵を切ることにしました。
クラブがアリーナを建てるのは、日本でもはじめてのケースだと思います。クラブが主導し、民(間)の力、資金をもってアリーナを建設する。この時代、それしかないと考えましたし、それが駄目なら諦めるしかないのかもしれない、とまで考えていました。
実現にあたっては、自力で、クラブの価値に対して参画しても良いと思っていただけるような企業と組み、実現に向けて歩み始めたのです。様々な可能性を探ってきたなかで、私どものスポンサードをしていただいている株式会社ミクシィが、ジェッツの将来戦略や、アリーナ戦略に共感していただき、バックアップをしていただくことになったのです。
ジェッツがアリーナを建てるとはいっても、ジェッツが何百億もお金を持っているわけではないので、当然、金銭的なスポンサーであったり、パートナーシップでバックアップしていただかなければなりません。当然、それだけの投資が必須になり、私どもの経営の健全性の維持が必要となるため、今回、資本提携を締結するに至ったのです。
7年前に千葉ジェッツ代表という仕事を受けたとき、そしてbjリーグからNBLへ参入すると決断したときなど、これまでいくつも転機が訪れましたが、民間でアリーナを作るという日本初の試みにチャレンジし、それを実現するにあたって伴う資本提携は、クラブにとってはもちろん、私にとっても大きな決断でした。
地域密着+大企業を最強モデルに。
以前、このコラムでも地域密着+大企業の最強モデルをお話ししたことがありました。これから日本はさらに少子化が進み、行政が財政支出しづらい世の中になっていきます。アリーナ・スタジアムとサービスの一体経営といった形を行っていかなければ、スポーツビジネスの事業規模は大きくなりません。
戦略的にスポーツでビジネスをしようという積極的なクラブと地元の企業が密着しているBリーグのスタイルのような形で「親会社またはオーナーや責任企業」として絡むのが、私はこれからの日本のスポーツの最強モデルだと思っています。
それはつまり事業における強みを活かし、弱みを消す、ということ。今回はまさに、徹底した地域密着+事業シナジーのある大企業の最強モデルとなると考えています。