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ラミレス監督がデータ偏重を止めた?
コーチ陣が話す「オープンな関係」。 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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posted2019/04/13 10:00

ラミレス監督がデータ偏重を止めた?コーチ陣が話す「オープンな関係」。<Number Web> photograph by Kyodo News

今季は12試合を終えて7勝5敗。代打が機能する日もあれば、リリーフが打たれて落とした日もあった。

開幕投手は三浦大輔コーチに一任。

 その姿勢はオフシーズンから散見されるようになった。

 秋季キャンプ前にはコーチ陣と個別面談を行うと、春季キャンプの練習メニューはコーチ陣の意見を多分に採り入れた。それまで自分が決めていた開幕投手を三浦大輔投手コーチに一任すると、オープン戦から開幕にかけてはベンチ内でコーチ陣と話す姿がよく見られるようになった。そしてラミレス監督の戦略的基盤だった“8番ピッチャー”をやめるなど、投手継投や打線の組み立てに関しても変化の兆しは感じられる。

 とくに現場に密着している人間として強く感じるのが、首脳陣のミーティングの長さだ。試合前、試合後のミーティングを終えてから記者は監督などを取材するわけだが、確実に昨季よりも待機する時間が長くなっている。

 青山道雄ヘッドコーチはラミレス監督の変化について次のように語る。

「たしかに以前よりもオープンになったと感じています。監督はコミュニケーション不足と言っていたけど、以前もミーティングは他のチームよりはたくさんしてきたはずだし、さらにそれが密になったことでより良い方向に進むはず。ものが言える雰囲気になったのは間違いない。ただ、それをいかに勝ちに繋げるかが我われにとっては重要です」

「ツボイさんの助言」

 3月31日の中日戦、佐野恵太が代打で起用されサヨナラ打を放ったが、その際に「ツボイさんの助言」とラミレス監督から賛辞を受けた坪井智哉打撃コーチは、昨年との違いを強く感じている。

「代打にしても昨年ならば『誰を用意しておいて』という感じだったのが、今年は『誰がいいと思う?』と投げかけてくれる。スタメンに関しても同様に意見を求められるようになったし、やりがいはありますよね」

 また昨年まで打撃コーチは右打者、左打者の分担制になっていたが、今季からそれは取りやめになった。てっきりコーチ陣からの要望だと思っていたのが、これはラミレス監督の「より広く意見を取り入れた方がいい」という判断によるものだった。坪井コーチが言う。

【次ページ】 風通しが良くなったベンチ。

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