ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
ラミレス監督がデータ偏重を止めた?
コーチ陣が話す「オープンな関係」。
posted2019/04/13 10:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
人は本当に変われるのだろうか――。
今シーズン、リリーフ陣に不安を抱えながらもまずまずのスタートを切った横浜DeNAベイスターズ。ラミレス監督4年目となる今季、どうしても気にかかることがひとつだけあった。
昨シーズンの終了時、ラミレス監督は3年ぶりのBクラスは、自らの責任だと反省の弁を述べている。
「我々のコーチは能力が高く素晴らしいが、すべての決断を私がしてきたがためにコーチの能力を生かしきれなかった。彼らには本当に申し訳ないと思っている。より良いチーム、より良い組織にするためには、やはり私自身が変わらないといけないと強く感じている」
そもそも、なぜコーチ陣との不協和音を生んでしまったのか?
単刀直入に尋ねると、ラミレス監督は真摯な表情で答えてくれた。
「私は試合に挑むにあたり、さまざまなデータを調べて、いろいろな決断をしています。戦略においては自分が固く信じているものもあるし、事実、裏付けされた数字もある。たまに私は、いわゆる常識外のことをして批判を浴びることもありますが、べつに奇をてらっているわけではなく、そこには自分が信じているデータがあるから、実行しているだけなんです」
ラミレス采配は「データ8割以上」。
就任当時、ラミレス監督は采配について「データ8割、フィーリングは2割」と語っていたが、実際のところは8割以上にデータを重視しているという。監督としてキャリアを重ね、確信していることもあったのだろう。そこが指揮官としての根幹であり、信念だと。
「そこでコーチ陣が『こうすべきではないか』と意見があるにも関わらず、私は耳を傾けることができなかった……」
データに基づいて信念を貫いたとしても結果が伴わなければ、それは絵に描いた餅に過ぎない。だからこそラミレス監督は「自分が変わらなければいけない」と猛省した。
「野球は常に進化しているし、そのスピードについていかなければ勝てなくなる。だからより柔軟にやっていかなければいけないと痛感しています。フレキシブルに人のいろいろな意見を聞いて、採り入れていかなければいけない」