濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
1日3興行開催の“心意気”を残して。
西の聖地「博多スターレーン」閉館。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2019/04/08 10:00
閉館する博多スターレーンでのラスト興行。展示会場担当・金子誠一部長もリングに上がり、昭和50年代から続く歴史に幕を閉じた。
「まず電話したのが博多スターレーンさん」
高木は「自分が社長になって、九州で大会をやっていかなきゃという時にまず電話したのが博多スターレーンさんでした」と言う。「チケットの委託販売を早めに手配しなきゃいけないよとか、いろいろ教えてもらいました」とも。会場側も、客席前方、中央、後方と場所によって椅子の高さを変えるなど、プロレスに“寄せた”運営をしていた。
リーグ戦開催中のためデスマッチ勢は出場できなかった大日本だが、ジュニアヘビー級のタイトル戦をマッチメイク。メインイベントは関本大介&野村卓矢vs橋本大地&神谷英慶という第一線の選手たちによるタッグマッチだった。セミファイナルには全日本プロレスの諏訪魔、青木篤志も出場している。
大会中にリングイン、ファンに挨拶したのはOBの山川竜司だ。彼は現役時代、この会場で頭蓋骨骨折の大ケガを負い、そこから復帰している。プロレスにはそういう“忘れがたい思い出”もあるのだ。
メインで勝利したシングル王者・関本は集合写真を撮影する際にリングアナ、運営スタッフもリングに呼び込んだ。最後は全員で「ありがとうございました!」と一礼。
「最後の女子プロレス」にアジャ登場!
続く東京女子プロレスは、博多スターレーン初使用だった。メインにはシングル王座戦、山下実優vs.坂崎ユカのトップ対決を組んでいる。「じゃあ5月の後楽園大会は何を組むんだ?」と思ってしまうほどの好カードだ。
“博多スターレーン最後の女子プロレス”とあって、レジェンド的存在のアジャコングも東京女子初参戦を果たした。バックステージでは試合後のアジャに“クビドル”伊藤麻希が対戦要求、5.3後楽園でのシングルマッチが決まるという一幕も。博多スターレーンでの闘いが、後楽園につながっていくことになったわけだ。
博多スターレーンという会場は、惜しまれつつ閉館する。しかし選手たちの闘いは続くし、また福岡のどこかで試合をすることも間違いなくある。