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スールシャールがマンU正式監督に!
ルーニーや現役MFも「当然」と賞讃。
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto press
posted2019/04/02 18:30
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ここ数年、相次ぐ監督交代で停滞感が漂うマンチェスター・ユナイテッド。名門復権へ、ファーガソンの教え子が正式に名乗りを上げた。
今季、トップ4を外れたら……。
もちろん、スールシャールのマンUが無冠、トップ4外で今季を終える可能性もある。
その際は、マウリシオ・ポチェッティーノを迎えるべきだったとの声が再び上がるだろう。プレミアでの監督実績はポチェッティーノが上で、若手を使って育てる姿勢もマンU向きと言える。引き抜きに関してタフな交渉相手と知られるトッテナムのダニエル・リービー会長というハードルがなければ、ポチェッティーノのヘッドハントに注力しない手はない。筆者も、そう考えた口だ。
加えて、暫定から正監督への昇格が早期解任に終わることは複数例ある。監督短命のチェルシーでは、暫定監督としてCL優勝を遂げたロベルト・ディマッテオが、翌シーズン開幕4カ月目に解雇された。さらにトップチームの指揮経験が祖国1部モルデとカーディフの2クラブにとどまるスールシャールは、MKドンズ(当時3部)とウェストブロムウィッチ(当時2部からプレミアに昇格)の2クラブだった、ディマッテオに近いと言える。
ディレクター採用のすすめ。
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とはいえ今回、マンUはスールシャールに成長のための時間を与えるべきだ。経営陣は相応のサポート提供に努めるべきで、そのための一策が、フットボール・ディレクターの採用だと考える。
確かにイングランドには、いまだにチーム強化担当役員の存在が歓迎されない傾向が残っている。スールシャールは前監督のモウリーニョが不満を唱えたフロント主導の補強を仕切る経営責任者エド・ウッドウォードとの関係も良好。むしろ、現場での仕事に集中できる環境を歓迎するだろう。
ただ、当人が「責任」と自覚するリーグ王座奪回の実現に乗り出すには、少なくとも安定性の基盤となる最終ラインの中央と右サイドにトップクラスの即戦力が欲しい。
CB陣では、ビクトル・リンデロフが自信と存在感を増したと思えるが、絶対的ではなく、コンビを組むクリス・スモーリングも、ひと皮剥け切らないまま今年30歳になる。右SBは在籍10年目のアントニオ・バレンシアが戦力外濃厚で、同じく元ウインガーのアシュリー・ヤング(33歳)も年齢的な衰えが見える。
新戦力を物色しつつ、既存の戦力との交渉問題もある。デヘアの引き留め、アンデル・エレーラとフアン・マタの両MF残留の是非、超高給の控えアレクシス・サンチェス放出の可能性など難題も数多い。
現時点ではウッドウォードの管轄だが、金融畑で名を成したCEOは、ピッチ上でのポイントよりも、ピッチ外で「ポンド」をより多く得るための策を練る方が向いている。この点からも、検討の噂がある内部昇格を含め、チーム作りの知識と経験を有する専門のディレクター採用が望まれる。