プレミアリーグの時間BACK NUMBER
スールシャールがマンU正式監督に!
ルーニーや現役MFも「当然」と賞讃。
posted2019/04/02 18:30
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Uniphoto press
拒否されようのない「離脱案」――。EU離脱問題で混沌とする英国としては、羨ましい限りだろう。
テレーザ・メイ首相の離脱案が3度目の否決をみた前日、マンチェスター・ユナイテッドでは次期正監督案が受け入れられた。プレミアリーグ優勝争いから遠ざかり、3度の監督解任も起きた過去5年間の衰退期から抜け出すための正式な舵取り役として、昨年12月から暫定指揮を執るオレ・グンナー・スールシャールが任命されたのだった。
3年契約での正監督昇格は、3カ月前の就任時点では予想し難かった。
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1999年に国内外3冠を達成した当時の「マンUレジェンド」は、ジョゼ・モウリーニョ前体制下で低下した士気を改善する「繋ぎ役」程度に理解されていた。それが実際には、3冠チームメイトのピーター・シュマイケルから後輩FWウェイン・ルーニー、さらには現役MFジェシー・リンガードまで、世代の異なる顔ぶれが揃って「当然の正監督就任」とツイートし、その資格を讃える結果となった。
ファーガソンをも超える?
勝負の世界では数字は時にまやかしとも言われるが、過去3カ月間のスールシャールに関しては、正監督就任の正しさの証にほかならない。
6連勝スタートを含め、就任から12試合連続リーグ戦無敗。13試合で32ポイントを獲得するなど絶好調ぶりで、トップ4までの距離が11ポイント差から「2」まで縮まった。その期間内に限定すれば、国内トップの10勝2分1敗を記録している。
CLでも、ホームでの第1レグで敗れたパリSGとの16強対決で、アウェイで3得点を奪って準々決勝へ進出。試合数はさておき、国内カップ戦を合わせた全19試合での勝率73.7%が、1500試合以上を指揮したサー・アレックス・ファーガソン元監督の59.7%を上回ることを受けて、「偉大な名将をも超えた」とする報道もあった。