信念と辛抱を貫く覚悟。

　そして、もう1つ大事なことは、経営陣の長期的な信念だろう。

　優勝争い常連への返り咲きは、簡単に達成できる課題ではない。かつての4強時代から時は流れ、最近のプレミアは「ビッグ6」と呼ばれる強豪が王座を争っている。マンUの前回黄金期は'80年代後半、ファーガソン新体制下での3年連続無冠に耐えて始まった。マンUには先を見据える伝統がある。

　6年前、結果的に短命に終わったが、サー・アレックスの後任として、デイビッド・モイーズを6年契約で監督に迎えた決定にも、さすがはマンUと思わされたものだ。相次ぐ監督交代を含む混迷と決別したいのであれば、正式に舵取りを任せたスールシャールに対し、信念と辛抱を貫く覚悟を決めなければならない。