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スールシャールがマンU正式監督に!
ルーニーや現役MFも「当然」と賞讃。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2019/04/02 18:30

スールシャールがマンU正式監督に!ルーニーや現役MFも「当然」と賞讃。<Number Web> photograph by Uniphoto press

ここ数年、相次ぐ監督交代で停滞感が漂うマンチェスター・ユナイテッド。名門復権へ、ファーガソンの教え子が正式に名乗りを上げた。

主力選手が揃って息を吹き返す。

 スールシャール就任後の戦いを振り返ると、9ゴール7アシストのポール・ポグバを筆頭に、11点のロメル・ルカクと10点のマーカス・ラッシュフォードの蘇生ぶりが著しい。

 ルカクが2ゴールしたパリSGとのアウェイゲームの後、スールシャールがエリック・カントナ、サー・アレックスと拳を握り締めながら笑顔で収まった3ショットは、マンUファンのムードを大きく好転させる影響力を持っていたに違いない。地元では今、聖地オールド・トラッフォードが「オーレ・トラッフォード」と呼ばれているのも頷ける。

 スールシャールは人心掌握術のみならず、戦術でも評価を得た。

 初の強豪対決となった1月のトッテナム戦(1-0)では、攻撃的チーム同士の一戦をカウンターで制した。2月にチェルシーを下したFAカップ(2-0)では、敵の司令塔ジョルジーニョを自由にさせずに完勝。3月のパリSG第2レグでは、10代のユース出身選手2名を登用。「マンUらしさ」として脚光を浴びた一方、試合展開を見ながら自陣ゴール前に人数を割いて試合を進め、土壇場で得たPKで勝ち抜けを決めた、冷静な采配も評価された。

黄金期に通ずるカウンター。

 ボール支配で劣っての勝利に関しては、前々監督であるルイス・ファンハールが「結果が出ているだけで、モウリーニョ体制下と変わらない」と意見している。

 しかし、そのスピードといい攻め上がる人数の多さといい、迫力を増したスールシャール体制下のカウンターは、サー・アレックス時代に通じる伝統を感じさせる。

 つまり、サッカーのスタイルから若手の積極起用まで「マンUの在り方」を知るスールシャールは、正監督就任会見で「光栄の至り。タイトル獲得を自分の責任と捉えている」と述べた。その結果、発表翌日の国内各紙には「優勝」や「栄光」といった言葉を含む、勇ましい見出しが並ぶことになった。

【次ページ】 「本当の試練の始まり」

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