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小関順二の2019パ・リーグ大胆予想。
日本ハム、ロッテを上位に推す理由。
posted2019/03/26 17:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
オープン戦の成績は、ソフトバンク(12球団中2位)、楽天(3位)、オリックス(5位)、ロッテ(6位)、西武(10位)、日本ハム(12位)の順に並び、評論家の順位予想は「やはり昨年の日本一、ソフトバンクが強い」という声が多いようだが、不安要素がないわけではない。
野手陣では35歳を越えている内川聖一が過去2年間、安打数が79→68と低迷し、松田宣浩は過去3年間、打率が.248~.264と低いところを推移し、今宮健太は20歳代ながら過去4年間の守備機会が611→595→567→389と右肩下がりになっている。
柳田悠岐、中村晃、甲斐拓也、上林誠知が安定しているのは強みだが、衰えの見える内川、松田、今宮の後継者が見当たらないのは近年のドラフトで投手偏重の指名を繰り返してきたため。控え選手にベテランが多く(長谷川勇也34歳:1億円、明石健志33歳:1億円、川島慶三35歳:7000万円)、年俸が高いのも新陳代謝がうまくいっていない証拠である。
投手陣は単純に外国人が多すぎる。一軍登録は4人までの中で、先発陣にバンデンハークとミランダ、リリーフ陣にサファテ、モイネロ、スアレスがいて、野手にもデスパイネ、グラシアルが揃う。全員が戦力になる充実した顔ぶれだが、一軍の試合に出られるのは4人だけ。登録と抹消を考えるだけで、神経がすり減ってしまわないか心配になってくる。
エース級が2年で3人抜けた西武。
王者・西武も万全ではない。2年前のオフに野上亮磨(巨人)、牧田和久(パドレス)、そして昨オフには菊池雄星(マリナーズ)、炭谷銀仁朗(巨人)、浅村栄斗(楽天)と主力が相次いでチームを離れた。特に2年間でエース格の3人がいなくなり、投手陣の手薄感は否めない。
'14年以降の過去5年間、ドラフト1位はすべて投手を指名し、2位も4人が投手。これほど徹底的に投手を指名しても、投手陣が充実したとは言い切れない。若手の今井達也、高橋光成、相内誠、伊藤翔にドラフト1位の松本航の大化けに期待したい。
その一方で昨年最多勝に輝いた多和田真三郎の防御率、被安打率の高さはどこまで改善されるか。