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先発ローテ、2桁勝利も期待できる。
畠世周は巨人復権のキーマンだ!
posted2019/03/26 11:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
新戦力についつい目が行きがちな開幕直前のプロ野球界。でも、もしかすると……ブレイクの可能性を秘める無名選手が、息を吹き返すベテランが現れるかもしれない。そんな期待を込めて、各球団のダークホース的な選手たちを集めてみました! 今回は読売ジャイアンツの畠世周選手です。
秘めたるポテンシャルを考えたら、この男は“決して6番目の投手”に収まるような器ではない。
畠世周。
3年目の右腕がようやく開幕に間に合った。
先発6番目のイスを争うと言われた3月20日の日本ハムとのオープン戦。
畠は今シーズンの初登板初先発となったこの試合で、6回106球を投げて7安打3失点。球速は150キロを越え、6つの三振を奪って四球は0だった。この投球内容に本来の姿を取り戻したと判断した原辰徳監督は、どうやら開幕3戦目の広島戦(マツダスタジアム)で先発起用する腹を固めたようである。
原監督「将来的にはチームの中心」
とにかく持っているポテンシャルでは、エースの菅野智之投手や山口俊投手に引けを取らないくらいの高さがある。
そのことは原監督も認めるところだ。
「彼にはきちっとローテーションの柱を担って1年間、やってもらわないとね。将来的にはこのチームの中心になる投手の1人であることは間違いない。それくらい能力の高いピッチャーですから。期待していますよ」
実は就任以来、ずっとこの畠の復活は、原構想の1つの鍵だったのである。
ところがこの男の最大の敵は相手チームでも一軍枠のライバルとなる他の投手たちでもなく、自分自身だった。
2016年のドラフト2位指名。ドラフトの時点で、右肘の遊離軟骨を除去する手術をしなければならないことは承知の上での指名だった。それぐらいに評価が高かったということでもある。