“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
小関順二の2019パ・リーグ大胆予想。
日本ハム、ロッテを上位に推す理由。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/03/26 17:00
オープン戦で起用され続け、開幕一軍が見えた藤原恭大。井口ロッテの起爆剤となるか。
オリックス、楽天の不安要素。
オリックスもエース格だった金子弌大(日本ハム)と西勇輝(阪神)がチームを離れた。先発陣を担うのは若手の山岡泰輔、田嶋大樹、山本由伸の若手トリオで、起用せざるを得ない切迫した状況が成長を促すだろうが、今年に関しては少々厳しい戦いが予想される。
野手もマレーロ、メネセス、ロメロの3人体制でシーズンに臨むが、前年比でマレーロは82安打から44安打、ロメロは打率を.274→.237へと落としている。計算できるポイントゲッターが吉田正尚1人という現象はドラフトで野手の獲得を怠ってきたからだ。
楽天はエース則本昂大が3月11日に右肘関節鏡視下クリーニング手術を受け、全治4カ月と診断された。
前半戦での復帰はほぼ不可能で、投手陣の構想が根底から崩れた。昨年先発を2試合務めた松井裕樹の抑えからの転向はまだ聞こえてこないが、投球内容のよさを見れば、先発転向は考えていい。
三塁・近藤、金子弌大の存在。
さて、ここまでソフトバンク、西武、オリックス、楽天の不安要素を挙げてきた。となれば、私が今季のパ・リーグで上位に推すのは残る日本ハムとロッテだ。
日本ハムはレアードがロッテに移籍して得点力の低下が懸念されているが、近藤健介、淺間大基、横尾俊建が他ポジションを守りながら三塁の兼任にも取り組み、とくに近藤にはセンスのよさを感じる。
もし近藤が三塁に定着すれば新外国人、王柏融が指名打者に専念でき、外野は大田泰示、西川遥輝、さらに右有鉤(ゆうこう)骨の骨折からの復帰をめざす清宮幸太郎や淺間、松本剛らで組めるので、大きなマイナスにはならない。
投手陣はオリックスから移籍した金子の存在が大きい。来日していたアスレチックスとの試合では4回投げ、3安打無失点9奪三振の快投を演じたが、キレのあるストレートとチェンジアップを低めに集めるピッチングは戦力としてだけでなく、上沢直之や有原航平に与える好影響も大きそうだ。