松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
修造が羨む、パラ・パワーリフター
大堂秀樹の競技者向きメンタル。
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byYuki Suenaga
posted2019/03/12 10:30
どんな時でもわが道を行く、とんでもなく前向きな思考の大堂に、松岡も脱帽!
みんなが笑い転げた、その返答。
大堂「答えになっているかどうかはわかりませんけど、すべてがうまくハマった時ってすごく軽いんですよ。たとえ200kgでも軽く思える。今まで感覚だけでやってきたので、言葉にするのは難しいですけどね」
松岡「2020年の東京パラリンピックに向けて、言語化していくのも大事なプロセスだと僕は思います。言葉にすることで、感覚を自分でも理解しやすくなるじゃないですか」
大堂「自分の場合は言葉にしなくてもできるので。あえてする必要はないかなって」
松岡「できない日もあるでしょ」
大堂「いや、ないです」
松岡「信じられないことはないってことですか」
大堂「それは、コーラを忘れたとき。赤いきつねを忘れたときです」
大堂さんの言葉にその場にいたみんなが笑い転げた。小さな質問を繰り返していった先に、ふと選手の個性が見えるときがある。この瞬間がまさにそうだった。
「自分のことを『2、3年に1人の天才』って」
松岡「前向きな捉え方をすると、秀樹さんは天然ですか」
大堂「その一言で片付けるのもどうかと思うけど、すごく選手向きではあります」
松岡「選手向きというと」
大堂「試合でつねに練習以上のことができるので。よく『練習でできないことは試合でもできない』って言うじゃないですか。そうではなくて、試合のために練習をしてきているんだから、試合はできて当たり前という考え方なんです」
松岡「それは多分、選手向きじゃなくて、天才向きと言うんだと思います(笑)」
大堂「確かに、この1年くらいだけど、自分のことを『2、3年に1人の天才』って言ってるんです。キャッチコピーにしたいんだけど、なかなか浸透していかない(笑)」
松岡「2、3年に1人って(笑)。ほんと秀樹さん、天才だと思いますよ。失敗しないんだから」