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Bリーグ勢だけで格上相手に連勝。
W杯出場バスケ日本、躍進の秘密。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2019/02/28 18:30
カタール戦では負傷交代した太田敦也を除く11人全員が得点。まさに「一丸」となった勝利で予選を締めくくった。
富樫が語る8連勝、最大の要因。
W杯予選12試合のうち10試合にPGとして先発した富樫勇樹は言う。
「きっかけは、あの3人だと思います。彼らはトップレベルでやってきた選手たち。実際に彼らの存在が、他の選手全員への良い刺激になり、Bリーグでプレーする選手もそれぞれ成長していきました。それが最後に8連勝できた最大の鍵なのではないかなと思います」
Bリーグが開幕した2016-17シーズン。しばらく富樫はしばらく離れていた日本代表に戻ってきた。そこで馬場と定期的に顔を合わせるようになった。
馬場は当時、大学2年生。2つ歳上の富樫に対して敬語を使っていた。しかし「敬語なんて使わなくていいよ」と年長の富樫が提案。2人は以前にも増して、よく話すようになったという。
「代表の雰囲気を変えるぞ!」
「どんな相手にも“ビビる”ことなく、戦えるチームにしていきたいよな」
Bリーグ勢だけで勝てた成長。
そんな風に未来を語っていた富樫は今、日本代表の成長についてこう胸を張る。
「ネガティブな雰囲気が少なくなってきました。どんな相手でも自分たちがしっかり準備をすれば戦えると『選手全員』がわかったと思うので。技術面はもちろん、試合に入るまでの気持ち、戦う準備といったメンタル面が、この予選を通してかなり変わったんじゃないかなと思います」
アメリカを知る3人が、チームに与えた影響の大きさは誰もが認めるところだ。
しかし、その3人全員がそろって出場した試合はいまだに一度もない。彼らはあくまでも、きっかけを与えただけだ。そもそも、3人のうちの2人以上が同時にプレーしたのは、12試合中で4試合しかない。
予選のラスト4試合は渡邊と八村が不在で、ファジーカスだけだった。今回のイラン、カタール戦は、比江島慎がオーストラリアから栃木ブレックスに復帰したこともあり、Bリーグでプレーする選手だけで戦った。
それでも、日本は勝った。
日本代表というチームが成長したことは誰の目にも明らかだった。