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<海図なき侍ジャパン>
プレミア12が残した苦い教訓。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2015/12/10 06:00
8回、9回は則本と決めていた小久保監督だったが、無死満塁のピンチを迎えて急遽交代を決断。この後に登板したのは、松井だった。
準決勝で韓国にまさかの逆転負けを喫した侍ジャパン。小久保監督の継投ミスばかりに批判が集まったが、2017年に開催されるWBCを見据えるならば、それ以上に代表チームの本質的な欠陥を直視すべきだ。
野球の新しい国際大会「プレミア12」は、世界的にはまだまだ未成熟な大会である。MLBはメジャー40人枠の選手の出場を禁じ、中南米ではウインター・リーグが開催されている。多くのチームは国の主力選手が参加せず、トップ選手でチーム構成できたのは日本と韓国、台湾ぐらいだった。
ただ、侍ジャパンを常設化して「世界の中での日本野球」を事業化した日本野球機構(NPB)にとっては、新たな道を切り開く意義ある大会であった。