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ロイス離脱のドルトムントが怪しい。
僅差の2位に、気づけばバイエルン。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUniphoto Press
posted2019/02/23 11:00
獅子奮迅の活躍を見せていたロイスがまたしても負傷。ドルトムントはこのヤマ場を乗り切れるか。
ひたひたと迫るバイエルン。
今季のドルトムントは、ロイス抜きには語れません。
彼がチームの中心に立つことで若手有望株のジェイドン・サンチョも躍動できるし、最前線に立つパコ・アルカセルやマリオ・ゲッツェも能力を発揮できる。様々な事象から見る限り、ドルトムントが悲願のリーガ奪還、そしてCLでの躍進を目指すにはロイスの怪我の治癒が必須となるでしょう。
そんななか、ひたひたとドルトムントの背後に迫るクラブがあります。目下リーガ6連覇中で、今季からニコ・コバチ監督がチームを率いるバイエルンです。
今季のバイエルンは主力選手たちの疲労蓄積の影響や新たな指揮官のチーム改革が順調に進まず、前半戦を終えた段階で早くも3敗を喫してドルトムントの後塵を拝していました。“盟主”の躓きは周囲の関心をひく格好の材料で、巷では早くもコバチ監督の去就が囁かれ、冬の移籍期間での新戦力獲得の必要性なども叫ばれました。
しかし結局、バイエルンのクラブ首脳陣は監督交代の可能性を否定し、今冬の大型補強も控えて現体制への信頼を改めて示しました。
レバンドフスキとOBのいざこざ。
そのバイエルン。ウィンターブレイクが明けた当初も決してチーム状態が上向いたとは言えませんでした。衝撃的だったのは第20節で新たにピーター・ボス監督を招聘したレバークーゼンに1-3で壮絶な逆転負けを喫した一戦です。
この試合に関連して元ドイツ代表MFでバイエルンのOBでもあるディットマール・ハマン氏が、ドイツ衛星放送の『スカイ』でFWロベルト・レバンドフスキに対して「やる気がない」などと批判し、それを聞いたレバンドフスキ本人、そしてバイエルンのハサン・サリハミジッチSD(スポーツディレクター)がハマン氏に反論するといったいざこざが起きてしまいました。
特にサリハミジッチSDが言い放った「私はレバンドフスキがバイエルンの問題になるとは思わない。しかしディディ・ハマンは『スカイ』にとって問題だろう。『スカイ』の人間は彼についてよく考える必要がある」というコメントは事態を大きくしてしまい、その波紋は現在も収まっていません。