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ロイス離脱のドルトムントが怪しい。
僅差の2位に、気づけばバイエルン。
posted2019/02/23 11:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Uniphoto Press
嫌な予感がしてきました。
ドイツ・ブンデスリーガは第22節を終えて、ドルトムントが15勝6分1敗の勝ち点51で首位を堅持しています。唯一の敗戦を12位デュッセルドルフに喫したのは残念ですが、それでもルシアン・ファブレ監督は意気揚々とシーズンを戦っていた……はずでした。
ところが、最近のドルトムントは歯車が噛み合いません。
ウィンターブレイク明けの第18節RBライプツィヒ戦はアウェーで1-0の辛勝。続く第19節のハノーファー戦は下位に喘ぐ相手を5-1で一蹴しましたが、難敵フランクフルトとの第20節は1-1の痛み分け。
そしてDFBポカール3回戦でブレーメンと死闘を演じた末にPK戦で敗れると意気消沈。第21節ホッフェンハイム戦での3-3の壮絶なドローを経て臨んだ、UEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16のトッテナム戦で0-3の完敗を喫しました。
そして、過密日程で臨んだリーガ最下位ニュルンベルクとの第22節がスコアレスドローに終わると、各種メディアの論調は「不振ドルトムント」一色となりました。
ロイスの欠場と最近の失速。
最近の失速は、キャプテンのマルコ・ロイスが筋肉系の怪我で欠場を強いられるゲームが増えている点とリンクしています。そもそもシーズン序盤のドルトムントは決して盤石ではなく、拮抗した試合で何とか勝ち点を積み上げるなか、ファブレ監督が4-2-3-1のトップ下にロイスを据える最適解を導き、一気にブレイクした印象があります。
チームの中核を担うロイスはここまでの公式戦で17ゴールを叩き出し、ブンデスリーガが選出する前半戦のMVPにも輝きました。
そんなチームの大黒柱の穴を埋めるのは容易ではなく、ファブレ監督はトップ下にFWのマキシミリアン・フィリップを起用したり、以前採用していた4-1-2-3を用いてダブルインサイドハーフにトーマス・デラネイとマハムート・ダフートを配備したりしていますが、チームバランスを改善できていません。