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インテルの風紀を乱す毒婦ワンダ。
夫イカルディは主将を剥奪され……。
posted2019/02/20 11:15
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
代理人妻ワンダ・ナラは今回、少々やりすぎたようだ。
2月13日、インテルは主将を務めていたFWイカルディのキャプテンマークを剥奪した。彼とその代理人妻ワンダの一連の言動に対し、堪忍袋の緒がついに切れたというべきだろう。
主将解任の一報が伝えられるや否や、ちょうど時を同じくしてイタリア芸能界を賑わせた春の風物詩「サンレモ音楽祭」で今年の大賞に選ばれた社会派ソング「Soldi」のパロディ動画がネット上に出回った。
変容する現代社会の中でイスラム系2世の悲哀を描いたオリジナル曲は、「Soldi, Soldi, Soldi(カネ、カネ、カネ……)」というサビのフレーズが金銭闘争に明け暮れるイカルディ夫妻にコラージュされ、ファンの爆笑を誘い、瞬く間に拡散した。
ただし、指揮官スパレッティやマロッタCEO、チームメイトたちにとっては笑い事では済まない。
ELとCL出場権争いを残すインテルは、シーズン中の主将交代という難局を乗り越えられるのか。
無論、インテル側はいきなり主将交代という荒療治を望んだわけではないが、ワンダ・ナラが今季のチームに与える影響は無視できないものになっていた。
ゴングを鳴らした代理人妻。
昨年12月中旬、ゴングを鳴らしたのは彼女だ。
年俸アップ交渉へ揺さぶりをかけるため、代理人ワンダは「夏の移籍市場でインテルはイカルディをユベントスに売り飛ばすつもりだった」とジャブを放った。
これをまともに喰らったマロッタCEOは当事者だったために反論できず、「(交渉事については)口をつぐんでおいた方がいい」と応戦するのが精一杯で臍を噛んだ。
交渉事の内幕を勝手にばらされて面白いはずがない。両者のいがみ合いが始まった。