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米大学でプレーするテーブス海。
「NBAが自分の視野に入ってきた」 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byYoko Miyaji

posted2019/02/11 09:00

米大学でプレーするテーブス海。「NBAが自分の視野に入ってきた」<Number Web> photograph by Yoko Miyaji

チームに欠かせない選手としての存在感をかもしていたテーブス海。本人の口からは“NBA”という言葉まで出てきた。

チームメイトは「1年とは思えない」と。

 開幕からわずか3試合ほどの適応期間で、ディビジョンIのレベルに慣れて活躍するようになったテーブスを見て、チームメイトの中からも「1年とは思えない」との声もあがっている。適応に時間がかかる選手が多い日本人選手のなかでも特例のようにも思える。

 マクグラスHCはリクルートした当初、英語を流暢に話せるテーブスがアメリカ国外から来ている選手だとは知らなかったという。それぐらい、アメリカのバスケットボール・シーンに溶け込んでいた。

 しかしテーブスは、ここまでの道は簡単ではなかったと言う。

「ここまでくるのはまったく簡単ではなかったです。むしろ、自分では適応するのに長い時間がかかったと思っています。アメリカに来て最初の年、ブリッジトン・アカデミー高校での1年は、僕にとってひどい年でした。適応できなくて、うまくできない試合がたくさんありました。日本に帰ったほうがいいんじゃないかと思ったことも何度もあったくらいです。あの頃はこのレベルでプレーするのに十分な実力もパワーもなかったんです。

 それでも、我慢して続けました。何があろうとやり続けなくてはいけないと言い続けて。やり続けなければ次のレベルに行くことはできない。やめたら、それで終わりですからね。やり続けることで、少しずつ慣れていくことができました。

 アメリカに出てきてからの3~4年の期間があったおかげで、この大学に1年生として入学した時点で準備が十分にできていたのだと思います。その前の3年で学んだことのおかげで、前よりは早く適応することができました。つまり、2~3試合ではなく、3年と2~3試合かけて適応したようなものです。まったく簡単ではなかったです。最初から英語を話すことはできていたけれど、それでもこのレベルに適応するのは大変でした」

「NBAに入れるように頑張ってみたいと決めた」

 開幕から3カ月近くたち、2月4日時点でテーブスは24試合に出場、そのうち23試合でチームのスターターを務めている。平均出場時間は30.3分と、すっかりチームに欠かせない存在だ。アシストは平均7.8本に増え、ターンオーバーは平均3.4本に下がった。試合は勝ったり負けたりで、まだ課題も多いが、それでも、テーブスはシーズンの目標は「カンファレンス優勝してNCAAトーナメントに出ること。このチームならそれも可能だ」と断言する。個人的には、カンファレンスの新人王を取ることが目標だ。

「新人王はシーズンが始まる前からの目標です。もし自分の仕事ができれば、そしてこのチームが勝つために貢献できれば、新人王の候補になれると思っています」

 大学の先の進路についても、最近になって大きな決断をした。

「これまで口に出して言ったことはなかったけれど、NBAに入れるように頑張ってみたいと決めました。前は自分がそんなことを言うとは思ってもいなかったし、そう言う自信もなかったけれど、今は、それが僕の目標だと言えます。最初にアメリカに来た時にはNBAはまったく目標ではなかったんです。アメリカで成長して、いつかBリーグでプレーできればと思っていました。今もBリーグでプレーしたいと思っているけど、でも、今アメリカで、アメリカの選手たち相手に自分がどれだけできるかを見て、NBAが自分の視野に入ってきました。

 誤解してほしくないのは、今の自分はまだ全然そのレベルにはないということ。でも、このペースで成長することができれば、チャンスがあると思えるようになりました。そう考えるようになったことで、自分の考え方や姿勢まで変わってきました。NBAに入りたいというのなら、これまでとはまったく違うレベルの努力やメンタリティ、自分に対する期待が求められるようになります。これまでとは違うレベルです」

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