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今季Bリーグ最大のサプライズ!?
中地区首位の新潟を導くベテラン力。
posted2019/02/07 07:00
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
B.LEAGUE
今シーズンのBリーグで最大のサプライズと言っていいかもしれない。
第23節、各チーム38試合を消化した時点で中地区首位を走っている新潟アルビレックスBBだ。
昨シーズンの中地区はシーホース三河が圧倒的な成績で独走し、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが2位に滑り込んでチャンピオンシップ進出を果たした。
今シーズンは名古屋Dが西地区に移動し、Bリーグ1年目の一昨シーズンにリーグ全体の最高勝率を残した川崎ブレイブサンダースが東地区から戻ってきた。開幕前に下馬評が高かったのはやはり川崎と三河。昨シーズン名古屋DとCS進出を争ってわずかに及ばなかった新潟は、その2チームを追う立場と目されていた。
ところが、フタを開けてみると新潟は快調に白星を重ね、第7節を終えたところで中地区首位に浮上。三河との4度の対戦で3勝を挙げるなど、第23節までその地位を守り続けている。昨シーズンの勝ち星が28勝であることを考えると、既に27勝を挙げているのは大躍進と呼ぶにふさわしい。
地区優勝を懸けた川崎との初対決。
ただ、川崎とは同地区にもかかわらず21節まで1度も対戦していなかった。同地区チームとの対戦は6回。残り25試合の約4分の1を川崎戦が占めることになり、その勝敗が地区優勝の行方にも大きな影響を与えることは間違いない。
その川崎との初対決を迎えたのが1月30日の第22節。星4つの差で2位につける川崎との直接対決は、シーズン後半戦を占う試金石でもあった。
この重要な一戦で、新潟は試合の入りに失敗した。辻直人とニック・ファジーカスの3ポイントなどで先行を許すと、柏木真介やダバンテ・ガードナーの得点で一旦は1点差に迫るが、そこから1分余りの間に9得点とたたみかけられて一気に10点差となる。
ただ、タイムアウトで流れを断ち切りたくなるこのタイミングで庄司和広ヘッドコーチはタイムアウトを取らず、コートの5人にゲタを預けている。結果、五十嵐圭の2本の3ポイントなどで第1クォーター終了までに点差を3点まで詰めた。
第2クォーターに入ると残り6分20秒の時点で同点に追いつき、その後アウトサイドシュートの不調で得点が伸びないものの、ディフェンスでは残り1分34秒の辻の3ポイントまで実に7分にわたって無失点。38-33とリードして前半の20分を終えた。