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決勝の相手カタールを徹底分析。
アリのカウンターを冨安が防ぐ。
posted2019/02/01 11:15
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
キーワードは「対応力」である。
日本時間2月1日23時にキックオフされるアジアカップ決勝で、日本はカタールと対峙することになった。
ロシアW杯のアジア最終予選で、カタールは日本と別グループの最下位に終わった。2勝1分7敗という成績は他国の注意や警戒を呼ぶものではなく、無印の立場で今大会を迎えている。
グループリーグでは初戦でレバノンを2-0で退け、続く北朝鮮戦は6-0の大勝を飾った。ともに2連勝で激突したサウジアラビアとの第3戦も2-0で制し、ノックアウトステージへ進出していく。
この時点でもまだ、カタールを推す声は大きくなかった。アジアのパワーバランスは日本、韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアのロシアW杯出場国が先行し、驚きをもたらすとしたら開催国で日程と組み合わせに恵まれるUAE、あるいは個の力に優れるイラクではないか、というのが現地での一般的な見方だった。カタールの上位進出を予想する声は、どれほど耳を澄ましても聞こえてこなかった。
ザック率いるホームのUAEに完勝。
それがどうだろう。
決勝トーナメント1回戦でイラクを、準々決勝で韓国を1-0で退けると、準決勝ではUAEを4-0で撃破した。ザックことアルベルト・ザッケローニが率いる開催国は、ベスト4進出国のなかでもっとも力が落ちる。戦力的にはベスト8が妥当だったろう。それにしても、完全アウェーの雰囲気での快勝は、カタールの潜在能力を際立たせた。
今大会に出場しているチームの生い立ちを辿ると、史上初の決勝進出の要因を探り当てることができる。