“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
関川郁万は、いかついけど“良い奴”。
鹿島で昌子と植田を追い越せるか。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/01/17 11:00
2年連続準優勝は悔しさも残るだろうが、その悔しさをバネに飛躍するメンタリティを関川郁万は備えているはずだ。
インハイ予選での敗戦が……。
きっかけは6月のインターハイ予選だった。関川は前回の選手権決勝後に右膝を手術したこともあって、インターハイ予選中に復帰した。しかしインターハイ出場を懸けた準決勝の習志野戦、自らのクリアミスで失点を招くなどコンディション不良が露呈。試合も1-2で敗れた。
「左足踏み切りで出遅れてしまったシーンがあって、それが失点に繋がった。右足の踏み込みができていれば防げた失点と感じたので、それ以降意識的に練習しました。右足踏み切りのジャンプを徹底しながら、紅白戦でも意識的に右足で飛ぶ回数を増やしました」
そして、この右足踏み切りと同時に意識したのが「姿勢」だ。
「普段の僕の姿勢は左肩が下がって、少し猫背気味だったのですが、両足でしっかりと踏み込んで、腹直筋に力を入れて、まっすぐに垂直に立つようにしました。左右の重心のバランスを崩さないことを意識して、腹直筋と頭から芯が1本通っているイメージで、トレーナーの人にも『姿勢、良くなったよね』と言われるようになりました」
その結果、右足踏み切りでも高い打点かつ、コントロールの効くヘッドができるようになった。
キック、ターンにも好影響。
それはヘッド以外にも左足キック、両足を軸にしたターン、そして元々得意とする左足踏み切りのヘッドにまで好影響を与えたのだ。
「左足キックの威力と種類が格段に増えました。しっかりと右足で踏み込めるようになったので、体重がきちんと乗った状態で左足を振り抜けるようになったんです。伸びるボールや相手ボランチとCBの間に落とすボールが蹴れるようになったし、左足のシュートも迷わず打てるようになった」
ターンに関しても、成長を実感していた。
「これまでは1対1での対応は屈んだ状態で重心が低くなりすぎたけど、今は上半身が腰にしっかりと乗っかっている形で対応できている。ターンやフェイントへの反応が早くなったと思います。相手の仕掛けに対して、スムーズに身体が動きますしね。練習でも抜かれなくなったし」