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大谷翔平へ栗山監督からのエール。
「僕の想像をさらに越えてくれ」

posted2019/01/14 09:00

 
大谷翔平へ栗山監督からのエール。「僕の想像をさらに越えてくれ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

大谷翔平のメジャー1年目を語ってくれた栗山監督。愛弟子の活躍に目を細めていた。

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

衝撃のスタートから、ヒジの手術で幕を閉じたメジャー1年目。
ファイターズで二刀流という未知への挑戦を導いてきた栗山は、
今季の「通信簿」をどうつけ、手術の決断をどう見たのか。
これまで発言を控えてきた恩師が、大谷翔平を語り尽くした。
Number963号(2018年10月11日発売)から全文掲載します。

 翔平のメジャー1年目は、ほぼイメージ通りだったかな。まず、日本では与えられなくなっていた「今のオレはコイツらの上には立てない」という環境が、向こうにはあったよね。

 バッターならマイク・トラウト、ピッチャーならジャスティン・バーランダーを目の当たりにして、自分よりもすごいかもしれない彼らを越えるために、自分は何をしたらいいのか……そういう宿題が与えられていたでしょ。そうじゃなかったらあんなバッティングにはならなかったと思うし、宿題があれば必ず何らかの進化を遂げ始めるはずだと思っていたからね。

 翔平が開幕直前に取り入れた、足を上げないステップはすごいなと思ったよ。いくつかの理由があったと思うけど、あれで明らかに打球方向が変わったよね。

 日本にいたときには、引っ張りにかかるとダメになるから左方向へ打ったほうがいいというバッターだったのに、今は引っ張っても大丈夫な形になってる。引っ張ろうとするとバットの軌道がさらによくなる形になったからね。勝手に右に飛ぶという感じかな。

身体の使い方が上手いんだ。

 向こうのピッチャーが投げるボールは手元で動くし、力強さがあるし、タイミングを取りにくい。だからステップしない、テイクバックで反動をつけないといった小さな動きで、ボールを(体の)中に呼び込んで、バットをその軌道に入れなきゃいけないんだけど、それじゃ、ボールに押されて差し込まれちゃう。

 しかも、ほとんどの日本のバッターは体に力がないから、当てても飛ばないんだよ。内野に転がすのが精一杯で、遠くへなんか飛ばないんだ。ところが翔平の打球はとんでもなく飛ぶ。

 それは筋力が強いという意味でのパワーがあるからじゃなくて、身体の使い方が抜群にうまいからなんだと思う。力を下から上へ伝えていくとき、普通は足し算になるんだけど、翔平の場合はそれが掛け算になる。関節ごとの連動性というのかな。

 たぶん、子どもの頃から、どうすれば効率よく身体を使えるのかを自然と考えていたんだろうね。翔平、よく言ってたもん。「ここの筋肉を鍛えておかないと、この動きができないんです」って……。

【次ページ】 手術しても成長できるでしょ。

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