球道雑記BACK NUMBER
ドラフトまでに絶対覚えて欲しい!
“白鴎大のラミレス”とは何者だ。
posted2019/01/13 08:00
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Ryotaro Nagata
昨秋、行われた関東地区大学野球選手権(横浜市長杯)のことだ。
その男は、三塁前のボテボテのゴロに猛チャージをかけ、ベアハンドでキャッチすると一塁へ力強い送球でアウトにして見せた。
通常なら内野安打になりそうな難しい打球だった。しかし、彼は違った。捕球から送球までのボディバランス、および体の使い方はおいそれと真似ができない。そして、なによりバズーカ砲のような強肩が目を惹いた。
聞けば遠投は125m。白鴎大学グラウンドのホームからセンターまでの距離122mをノーバウンドで放り投げることができるという。秘められたポテンシャルは相当高い。
白鴎大学・黒宮寿幸監督も興奮気味に太鼓判を押す。
「自分は阪神に行った大山(悠輔)よりも能力が高いと思っています。あの肩は大山にはないですもん。大山が、いくら肩が良いと言っても、ラミの方が絶対いい。やっぱりモノが違います。
飛距離も大山は大学時代にバックスクリーンに入れられなかったと思うんですけど、ラミ(ラミレス)はバックスクリーンに入れられるほど飛ばします。そういうひとつひとつのポテンシャルはラミの方が上。僕はそう思っています」
白鴎大の“ラミレス”。
白鴎大学の新4年生、ラミレス・レンソ。
この名前をぜひ憶えていてもらいたい。
出身は栃木県宇都宮市。ペルーでプロサッカー選手だった父の下で育った。日本語とスペイン語をごく自然に話すバイリンガル。ラテン系の明るい性格を一見想像させるが、ラミレスはわりと大人しい性格だ。
この冬から主務を務めることになった鶴見晃良もこう言う。
「怒っている姿は見たことがないですし、誰よりも率先して下働きをしてくれる先輩です。練習後の片付けとかも一緒になってやってくれるし、だからってわけではないですが、とても頼りになります」