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東京五輪争いが最も熾烈な競技は?
卓球、バド、競泳、レスリング……。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2019/01/05 09:00
昨年のツアーファイナルを制したタカマツ組だが、五輪代表の座はまだまだ安泰ではない。
バドミントンは世界3位が不出場!?
世界ランキングが決め手となる競技と言えば、バドミントンもそうだ。男女シングルス、男女ダブルス、ミックスダブルスとあるが、2019年4月から2020年4月までの世界ランキング上位の選手に出場権が与えられる。
ここで問題となってくるのは、それぞれの種目につき、1カ国あたりの選手枠が最大2枠であることだ。例えば世界ランキング1、2、3位を占める国があっても、3人(あるいはペア)は出られない。しかも日本は、いまや屈指の強豪国だ。それだけに代表争いは熾烈を極める。
特に女子ダブルスでは、先にあげた例の現象が実際に起こっている。2018年12月20日付けのランキングで、1位は福島由紀・廣田彩花組、2位にリオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華・松友美佐紀組、3位には永原和可那・松本麻佑組がつける。さらに7位にも米元小春・田中志穂組がいる。
この場合永原・松本組と米元・田中組は世界ランキング上位につけているにも関わらず、出場することができない。2枠に滑り込むために、気の抜けない日々が今春から始まる。
競泳、レスリングもすでに波乱含み。
競泳も、2019年に代表が決まる可能性がある。7月に行われる世界選手権で金メダルを獲得した場合、代表に選出されると定められているからだ。
世界選手権の代表選考の場となるのは、4月に行われる日本選手権である。つまり、日本選手権で世界選手権代表の座を射止め、世界選手権で優勝することが最短の道となる。4月といえば、そんなに先のことではない。ここからの強化と調整が鍵を握る。
昨年末に全日本選手権が行われ、伊調馨がリオデジャネイロ五輪金メダルの川井梨紗子を破り、優勝したことが話題となったレスリング。こちらも同じく早ければ2019年に東京五輪代表が決まる競技の1つである。競泳同様、9月の世界選手権の結果次第で五輪代表の座を得ることができる。
まず世界選手権の代表選考方法だが、五輪階級については、全日本選手権と2019年6月の全日本選抜選手権の優勝者が同じならその選手。異なれば、2018年世界選手権メダリストと合わせて、プレーオフを実施する。