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スポーツ界の社会貢献活動を表彰!
今年の「HEROs AWARD」はこの人に。 

text by

生島洋介

生島洋介Yosuke Ikushima

PROFILE

photograph byYuki Suenaga

posted2018/12/26 15:00

スポーツ界の社会貢献活動を表彰!今年の「HEROs AWARD」はこの人に。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

「HEROs AWARD 2018」で登壇した受賞者の皆さん。左から、赤星憲広さん、有森裕子さん、飯沼誠司さん、浦和レッズの落合弘さん、北野華子さん。

カンボジアの教育現場への支援。

 主に海外で支援活動を行うアスリートもいる。バルセロナ、アトランタの五輪女子マラソンでメダルを獲得した有森氏だ。

 1998年に設立した団体「HEARTS of GOLD」はスポーツを通して、紛争地や開発途上国などで暮らすひとの自立支援に取り組む。大切にしているのは、そこに生きるひとたちの内なる力を作り出すこと。その可能性を持っているのがスポーツだと信じて、20年にわたり活動を続けてきた。試行錯誤を経て、現在ではカンボジアの教育現場への体育科教育の普及と、その指導者の育成にあたっている。

「最終的には現地からわたしたちがいなくなること、(育成の機関も)すべて移譲することが目標です。なにかをしてあげる自分ではなく、一緒にやれる自分でありたい」(有森氏)

「いかに『簡単に』『多くの』方に伝えられるか」

 日本人初のプロライフセーバーとして、水難事故防止の最前線に身を置いてきた飯沼氏は、陸の上でも一次救命の輪を広げる活動を続けている。それが「ATHLETE SAVE JAPAN いのちの教室」。45分間の授業を通じて、こどもたちにAEDの使用方法や胸骨圧迫などの蘇生術を教えるものだ。

「心臓突然死という問題解決には、その場にいる人の助けが何より重要です。AEDや蘇生術は誰にでもできる『難しくないこと』だと、いかに『簡単に』『多くの』方に伝えていくか。アスリート自身が発信することによって、スポーツ界における安全の普及・啓発に大きな流れができると信じています」(飯沼氏)

 自身がメッセージを発することの意味を深く理解し、活動しているのは、元サッカー日本代表の長谷部氏も同様だ。

「社会貢献活動というのは、何か押し付けられるものではなく、自分がしっかりと関心を持って、その問題に対して自分から行動を起こしたいと思う気持ちが大事。そういう意味で、僕が出来るのは日本のみなさんに関心を持ってもらえるように継続的な活動を通してアプローチしていくこと」(長谷部氏)

 日本ユニセフ協会大使として、弱い立場にある世界のこどもたちの状況やユニセフの取り組みを広く日本の人々に伝えているほか、はしかの感染症例の多いエチオピアでのワクチン支援を進めている。

【次ページ】 タイの孤児院でレッズが活動!?

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