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ユーベ敏腕GM退任理由はロナウド?
キナ臭い噂と、インテル入団発表。 

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手嶋真彦

手嶋真彦Masahiko Tejima

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photograph byUniphoto press

posted2018/12/19 16:30

ユーベ敏腕GM退任理由はロナウド?キナ臭い噂と、インテル入団発表。<Number Web> photograph by Uniphoto press

ユーベに数々の栄光をもたらしたマロッタGM。彼の退任がセリエAの勢力図に変化をうながすのか。

コンテ、アレッグリ監督も。

 枚挙にいとまがないマロッタの最初の大手柄が、2011年1月にドイツのヴォルフスブルクから獲得したアンドレア・バルザーリだろう。

 当時29歳ながら「もう終わった選手」と囁かれていたこのCBはレオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニと「BBC」とも称される鉄壁の最終ラインを形成する。2011年1月にマロッタが費やした移籍金は30万ユーロ(約3900万円)とも50万ユーロ(約6500万円)とも言われるが、どれだけの“お値打ち品”だったかは、ほぼ8年後の現在もユベントスの貴重な戦力となっているバルザーリの健在が物語っている通りだ。

 マロッタがユベントスに招聘した監督も、当初から名将だったわけではない。7連覇の最初の3連覇を成し遂げたアントニオ・コンテは、ユベントスに招かれるまではセリエAでの采配経験がわずか13試合(しかも3勝4分6敗)の青年監督でしかなかった。

 '14年夏からコンテの後を受け継ぎ、国内リーグでの連覇の記録を7シーズンまで伸ばしているマッシミリアーノ・アッレグリにしても、ユベントスの監督就任当初は懐疑的な見方の方が強かった。'14年1月にミランの監督を途中解任されたばかりで、メガクラブでのキャリアはそのまま終わりになってもおかしくないと見なされていたからだ。

忠誠心がなくてもプロの仕事。

「プロフェッショナルではあるが、おそらく一度もユベンティーノだったことはない」

 ユベントスの副会長でマロッタをよく知るパベル・ネドベドは、袂を分かった元CEO兼ゼネラルディレクターをそう描き出す。

 ユベントスのファンを意味するユベンティーノではなかったというネドベドの見立てが事実なら、マロッタの忠誠心の欠如をなじっているようにも聞こえるが、ここで注目したいのは前段の「プロフェッショナルだ」というくだりの方だ。忠誠心が欠けているのに圧倒的な結果をもたらしたのだとすれば、たしかにプロの仕事だと言えるだろう。

 いくつかの証言から浮かび上がってくるマロッタは、いわゆる万能型のマネージャーである。クラブの中ではフロントスタッフを統率しつつ、メディアとのコミュニケーションまで率先して買って出る。移籍マーケットでは国際的な人脈を活かしながら、優れた外交手腕を発揮する。

 大変なハードワーカーであり、イタリア語で言うところの「ブオンセンソ」、すなわち「良識」の持ち主でもあると言う。

【次ページ】 忍耐と直感、決断に優れたGM。

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