欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
ユーベ敏腕GM退任理由はロナウド?
キナ臭い噂と、インテル入団発表。
posted2018/12/19 16:30
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph by
Uniphoto press
ユベントスが手放したのは偉大な点取り屋――。と言っても、ピッチ上で得点を量産できる文字通りのゴールゲッターではない。
移籍マーケットで毎年のように大きな価値を持つ取引を成立させ、ユベントスの陣容を刷新しながら強化してきたCEO兼ゼネラルディレクターのジュゼッペ・マロッタのことだ。
マロッタ曰く「クラブ側の要望で」そうした役職から退き、そのままユベントスを去ったのが2018年10月下旬。それまでの8年間で積み上げてきた実績の一部を振り返るだけで、イタリア・セリエAで7連覇中という史上稀に見るユベントスの黄金期をいかにマロッタが支えてきたかがよく分かる。
7連覇が始まる2011-12シーズンと続く2012-13シーズンに獲得した選手が、アンドレア・ピルロとポール・ポグバの両MFだ。
ピルロとポグバを移籍金ゼロで。
ピルロは2006年のW杯を制したイタリア代表の不動の中心選手で、マロッタがユベントスに引っ張ってきたのは10年間在籍したミランとの契約が切れる2011年夏だった。
契約切れのフリートランスファーなので、移籍金は掛からない。例えるならば32歳で迎えた2018年のW杯で大活躍し、つい先日はバロンドール受賞の栄誉に浴したクロアチア代表のルカ・モドリッチをコストゼロで手に入れたようなものだった。ピルロは32歳でユベントスに入団してからも、世界屈指の司令塔として輝き続けた。
2016年夏に1億500万ユーロ(約136億5000万円)の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに売却したポグバもまた、マロッタがコストゼロでユベントスに連れてきた選手のひとりだ。
その4年前、2012年夏にユベントスに入団した時点のポグバはこれと言った実績が皆無の19歳で、フランス代表にもまだデビューしていない無名の若者にすぎなかった。ある意味では濡れ手で粟のようにユベントスが手にした1億500万ユーロは、移籍金の当時の史上最高額だった。