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“最後のデ杯”王者はクロアチア。
変革必至のテニス界の行方は? 

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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photograph byGetty Images

posted2018/12/01 16:30

“最後のデ杯”王者はクロアチア。変革必至のテニス界の行方は?<Number Web> photograph by Getty Images

デビスカップへの出場意欲は選手によって異なる。クロアチアのチリッチはかなり出場に前向きだった。

現在のトップ10でデ杯経験者は5人。

 現在のトップ10プレーヤーのうち今年のデビスカップに一度でも出場したのは半分の5人。これでも意外に多いと感じるほどだが、ロジャー・フェデラーは丸3年プレーしておらず、錦織圭とファンマルティン・デルポトロも丸2年、昨年の全米オープンと今年のウィンブルドンで準優勝したケビン・アンダーソンは2011年を最後に出場していない。

 過密なツアースケジュールの中で年間4週は多すぎる、5セットマッチは負担が大きいといった声は膨らんでいた。開催国の負担も膨大で、ホーム開催を嫌がる国も増えていたという。

 代表に選ばれれば名誉なことと手放しで喜んだ時代は、もう終わった。全米オープン前の記者会見で錦織は、「これまでのフォーマットでは選手の負担が大きすぎるという意見が多かったので、(2月の予選と11月の決勝大会に)絞られたのはいいかなと思います。

 でもツアーファイナルを戦ったあとに力が残っているかといわれると難しい。ファイナルに出なかった人は(本来ならオフに入っているところを)待たないといけないので、それも難しいと思う」と話していた。

ズベレフ「11月のファイナルズには出ない」

 開催時期については、同じ意見が他のトッププレーヤーからも聞かれる。21歳の若さで今年のツアーファイナルズを制したアレクサンダー・ズベレフは「2月の予選には出ると思うけど、11月のデ杯ファイナルズには出ない」と断言。こんな意見が出る限り、サッカーのワールドカップなどという理想はあまりにも現実とかけ離れていると言うしかない。

 そんな中、デ杯に対抗するかのように、ツアーを運営するATPもまた国別対抗戦の『ATPカップ』を再来年から開催することを正式に発表した。

 時期は1月の10日間。シーズン開幕に合わせて、全豪オープンが開催されるオーストラリアの3カ所を舞台に行う。2単1複をそれぞれ3セットマッチで戦う点はデ杯と同じだが、出場国は24。

 また、最大の相違点はATPポイントが付与されることだ。最大で750ポイントを得られるというのは、マスターズの優勝が1000ポイントであることを考えればかなり魅力的。シーズン終了後と違って1月の全豪オープン前は、エキジビション大会などで肩ならしする選手も多く、従来のデビスカップほどの重圧のない10日間のチーム戦はもってこいといえる。

【次ページ】 新たなファンと新鮮な話題の獲得に必死。

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