【NSBC補講IV】皆川賢太郎のスキー革命論BACK NUMBER
1年じゅうスキーができる国を作る。
皆川賢太郎が考える屋内施設の価値。
text by
皆川賢太郎Kentaro Minagawa
photograph by2018 HEIDI Co., Ltd.
posted2018/11/29 16:30
昨年中国・ハルビンにオープンした室内ゲレンデ。近くにはロシアの街並みをモチーフにしたテーマパークも存在する。
ヨーロッパや中国には成功例が多い。
さらに、レストランやホテルも隣接してコンパクトに作られていて、夜はその中でイベントを行うなど、様々な取り組みにより黒字化に成功しています。我々が目指すべき収益モデルがすでに世界に存在しているのです。
この他に、ヨーロッパにはドイツやフランス、ラトビア、ロシアなどにもスノードームが点在し、さらに近年、中国が急成長を遂げています。春には上海、その後は大連など全部で5箇所に建設されると聞いています。
こうした海外の成功事例を2、3ほど挙げながら、土地を決め、批判や検討などを加え、よりよい成案を得るための原案をつくることが今、最も大切だと考えています。私がこの機運であれば実現可能と見ている1つに、現在、日本へのインバウンドが盛んだということが理由に挙げられます。
スキー、スノーボードもその恩恵を受けていて、中国をはじめとする海外の投資家たちから、「(日本の)スキー場を買いたい」という話もたくさんいただくようになりました。
中国が目指すスキー人口は3億人。
日本は他国に比べ、冬になれば必ず雪が降る安定感があり、豊富な雪資源を確保できます。中国を筆頭に海外の投資家らには、そういった場所にスキー場を持っておけば(投資した分は)回収できるし、売れるだろうという考え方があるのです。
そういう機運がなければ、私が「(日本に)スキードームを作りたいんです」と言ったところで、机上の空論であり、なかなか先に進まないでしょう。
まだ大儲けをできるといステージには至っていませんが、それでもしっかりと収支が取れる案件で、黒字化事業だということを提示できるようになりつつあるので、スノードーム構想も夢では終わらないと思いますし、今後、実現に向けて加速化していくのではないかと考えています。
インバウンドはもちろんそうですが、なぜインドア施設が中国国内で増えていると思いますか?
現在中国のスキー人口は1600万人と言われています。この6年くらいで倍になり、余裕で1000万人を超えてきました。しかし、中国が国策として目指すところはさらに高いところにあって、なんと3億人。その数字を達成するためには付随するスキー場が必要というわけです。インドア施設の増加はまさに必然的だったのです。