【NSBC補講IV】皆川賢太郎のスキー革命論BACK NUMBER

1年じゅうスキーができる国を作る。
皆川賢太郎が考える屋内施設の価値。 

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皆川賢太郎

皆川賢太郎Kentaro Minagawa

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photograph by2018 HEIDI Co., Ltd.

posted2018/11/29 16:30

1年じゅうスキーができる国を作る。皆川賢太郎が考える屋内施設の価値。<Number Web> photograph by 2018 HEIDI Co., Ltd.

昨年中国・ハルビンにオープンした室内ゲレンデ。近くにはロシアの街並みをモチーフにしたテーマパークも存在する。

365日滑れる環境が大切。

 3月には雪上で次のシーズンのモデルを試す試乗会なるものを行っていますが、そこに参加できなければ、いわゆる“ジャケット買い”になってしまう。私は実際に道具を使って購入できることにメリットがあると考えていて、事前に試してみることで人の道具への満足度がすごく高くなると考えています。

 そこで考えてもらいたいのは、道具を販売しているメーカーにとってなぜ選手たちに価値があるのか、ということです。選手たちが使用している道具や広告価値は、一般市場の動向が少なからず関係しています。

 メーカーの体力がなくなれば、必然的に選手のサポートの体制の体力もなくなります。メーカーとユーザーがしっかりとコミットし、メーカー側は(道具の)機能を十分にユーザーに感じてもらい、それが購入につながらなければ、スキー産業は復活しません。そういった意味でも、私は365日滑ることができる環境を用意しなければ、スキー産業は停滞すると考えているのです。

スノードームの総工費は100億円以上。

 では実際、今後日本にスノードームが建設されることはあるのかといえば……私は可能だと考えています。何名かのボードメンバーが必要でデベロップしなければなりませんが、そこで我々のような雪に携わるような人間が確固たる理論武装して、計画を立てることが重要です。

 実際に通年化を視野に入れてスノードームを現実のものにするため、試行錯誤を繰り返しているところです。設計を試みたり、コストを算出したこともあります。現実的な問題としては、資材のコストの高さを考慮すると総工費100億を切るのは非常に厳しい点ですね。ただ、ここでポジティブな材料になるのが海外で成功したモデルケースです。

 現在世界には37つのスノードームが存在し、まもなく38つ目が完成します。最も成功しているのは、オランダのスノーワールド・グループがつくった施設ですね。この施設は、山の斜面を建物でおおって建築コストを抑え、エネルギーはソーラーシステムによる自家発電システムで電力を蓄えて使用しています。

【次ページ】 ヨーロッパや中国には成功例が多い。

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